タカシ

君よ憤怒の河を渉れのタカシのレビュー・感想・評価

君よ憤怒の河を渉れ(1976年製作の映画)
3.0
かつてのベストセラー作家、西村寿行の小説を原作に、東映退社後の高倉健が初主演した大映映画作品。

日本人が大好きな、いわゆる「逃亡者」もの。
真実を追い求め、高倉健が日本を駆け巡る❗

しかし私を含め、他のレビュアーさんたちが指摘せずにいれない、この作品の変さ、おかしさ、居心地の悪さ!

まず誰もが気づく音楽の変さ。オープニングでスキャットが流れるのだが、音楽に普通「ダヤラ~」って歌声を乗せます? ダヤラって何?

そもそも音楽が内容にまったくあってない。びっくりするほどのんきな陽気な音楽が流れ続ける。音楽が気になりすぎて内容に集中出来ない。この作品のサントラをタイトル知らせずに流して、内容を当てられる人は皆無だと断言出来る。

所々で異常なチープさが発現するのも何だか恐ろしい。
熊、自衛隊機、セスナ。
馬の蹄鉄はアスファルトの上で火花を放つんだなあとか。

その中で健さんはいつもの健さんなんだけど、その健さんですら後半『壊れてしまう』のです。

なんだろう、真面目に作ってるとは思うんですよ。狙ってこうは作れない。
でもどうしてこんなおかしな作品が出来るのか不思議でならない(つまらない、とは言ってない)。

少々長い映画です。多少の覚悟も必要です。でもとても貴重な体験出来ますよ。

あーこれは原作読んで比べてみたいなあ。
BSフジ(17.03.11録画)にて。17.03.12
2017#045
タカシ

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