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おたずね者キッド・ブルー/逃亡!列車強盗のMOCOのレビュー・感想・評価

3.0
「どうする?ビック(キッド・ブルー)」
「ずっと考えてたことを俺はやる」
「一人で?」
「ああ、どこか町を見つけて仕事を探す」


 お尋ね者の男が銃を手放し全うな堅気の男になろうとするのだが世間の風は冷たく・・・という異色のウエスタン。

 お尋ね者の若いキッド・ブルー(デニス・ホッパー)は強盗団から足を洗い、仲間達と別れ銃を捨て名前を変え職を求め一人町に入ります。
 真面目に働くのですが、保安官が取り仕切る町は、よそ者を嫌い、信心深い勤労者だけに手厚い町で、それでいて先住民を別の地区に追い出して出来た町です。キッド・ブルーは短期間に3回も転職するような冷たい洗礼を受けます。

 キッド・ブルーは賄い付きの住居で知り合った、やはりよその土地からやってきた若い夫婦と仲良くなり友情を感じ、夫も年下のキッド・ブルーを可愛く思うのですが、奥さんはキッド・ブルーに興味を持ち、肉体関係を求めます。

 ある日、偶然町にやって来た旧知の女性から夫婦に伝説の強盗・お尋ね者キッド・ブルーだったことを知られてしまいます。
 
 そして浮気が夫にバレてもめた挙げ句夫は町を離れてしまいます。
 自分達は家族がありながら別の女性と関係がある雇い主と保安官から絞られたキッド・ブルーは、居住区から町に勝手に戻っている3人の先住民に、雇い主の金庫にある従業員の給与を奪い取る計画を持ちかけます。
 再び銃を手にしたキッド・ブルーは金庫のお金を奪い取るのですが・・・。
 
 ちょっぴり社会風刺の効いた映画は、劇場公開もDVD化もされていません。映画自身は盛り上りに欠けるのですが、強盗を誘った原住民が現場にキッド・ブルーの馬を連れてこなかったり、3人の原住民のうち1人が射殺されたり、話の中ほどに登場する人力飛行機が、ラストに活躍?しそうだったりと、ビミョーなドキドキとワクワクがありなんとな~くおもしろかったです。

 旧知の女性役のジャニス・ルールもきれいなのですが、浮気相手役のリー・パーセルが「ビッグ・ウェンズデー」の5年も前の出演で26才?と若くかわいらしく見えます。

 デニス・ホッパーも若く、顔つきや仕草がなんとなく萩原健一さんに似ています。
 
 なかなか観る事ができない映画です。
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