♫Wouldn't it be nice
if we were older.
In the kind of world
where we belong.

ブライアン・ウィルソン来日(涙)
盟友アル・ジャーディンに加えて
ストーンズファンにも馴染みの
ブロンディ・チャップリンも参加
カールも天国で泣いてんちゃう…？
名盤『ペット・サウンズ』再演に
もう永遠に聴けないセットリストを
期待して 今から胸が躍って仕方ない

思えば 親父のフラれ話の憎まれ役に始まり
ＵＫロックから 徐々にウェストコーストへ
耳を傾け
いつしか自分の傷心への 波音のような安らぎとなった
ビーチ・ボーイズの楽曲の数々…
マルコム・レオが撮った このＶＨＳを
マジでテープが切れて 修復するまで観たわけで
ポールやジミヘンが語る ブライアンの未来の音作りにも圧倒される
グループ間にどんなゴタゴタや意見の相違があっても
音楽への真摯さと永遠のハーモニーは変わらない

あれから四半世紀以上が経ち
まだ この地上でこんな素敵な歌声が聴けるなんて
まったくどんな疫病なんかより
人々の心に蔓延してほしいものだね

動画サイトが普及していない時代、ビーチボーイズの映像を観る手段は限られていた。
彼らの軌跡は萩原健太のライナーノーツなどで大筋知ってはいたが、視覚的に確認するなら、このビデオを参照するのが最適だった。
ここに映っているような映像はもうYouTubeなどで拡散されており、本作に今日的な資料価値はあまりない。
ゆえに再評価されることはないだろう。

亡くなる前の次男デニスが長男ブライアンの伴奏で歌う「You Are So Beautiful」はすべての映画の中で最もグッとくるシーン。
「Surf's Up」を弾き語りするブライアンも見所。

ところで、ブライアン・ウィルソンは天才ゆえに変人扱いされがちだが、個人的にマイク・ラヴはブライアンより変わった人だと思っている。
ブライアンが苦手としている作詞ができて、耳に残る短いフレーズを作らせたら天才的に上手い。
ブライアン的なファルセットを使える人はけっこういるけど、マイクのように軽妙な歌い方をできる人は少ない。
ステージで見せる謎ステップ、「Monster Mash」を歌う時の全力顔芸、実際の所どこまで吹けるのかわからないサックス演奏、何なんだよ。
典型的な西海岸の陽キャかと思いきや、マハリシ・ヨギのTMに激ハマりし、長年広告塔を務めている。
そのくせ政治思想はかなり保守的。
わけがわからん。
彼は彼で、頭の中に誰も解明できないブラックボックスがあるのだろう。

私の生涯ベスト1はこの映画なのだが、劇場で観た事ないし、DVDは実家に置きっぱなしなので、記憶があやふや。
再見してガッカリしたくないから、もう見返すことはない。

I guess you just were made for these times.
Thank you for everything, Brian. RIP.