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13 ラブ 30 サーティン・ラブ・サーティのkuuのレビュー・感想・評価

3.8
『13 ラブ 30 サーティン・ラブ・サーティ』
原題 13 Going on 30.
製作年 2004年。上映時間 99分。
全米でスマッシュヒットを記録した日本劇場未公開のキュートなファンタジー・ラブコメディ。
主演はジェニファー・ガーナー。
共演にマーク・ラファロ。

13歳の少女が、少女の心のままある日突然30歳の大人の女性になってしまい、理想と現実のギャップに戸惑いながらも、やがて本当に大切なものを見つける姿を描く。。。

今作品は、1988年のトム・ハンクスのコメディ『ビッグ』のような作品だとしばしばレビューでめにしていた。
たしかに、筋書きは基本的に同じで、願い事をする装置(『ビッグ』やと占いする機械式のゾルター人形やったかな、今作品では夢が叶う粉)を使って、若いティーンが年を取りたいと願う(実際には、『ビッグ』ではただ大きくなりたいと願ったが、結局年を取ってしまった)。
そして、その子どもらしい(ちゅうか、子どもっぽい)心のおかげで、大人になってから成功する。
しかし、結局のところ、彼らはプレッシャーに負けず、子供に戻りたいだけ。
『ビッグ』やとすべての人の中にある子供、そして皮肉屋な大人になったときに、その子供をいかに忘れないかを描いた素晴らしいコメディやっあ。
しかし、今作品は、ガーナー演じるジェナの13歳の誕生日の願いから、彼女が目を覚ますと30歳になっているという事実まで、17年間が経過しているという点で、『ビッグ』とは一線を画している。
今作品では、ジェンナが13歳の誕生日を迎えた後、目が覚めたら30歳になっていた、という設定になっています。
ジェンナが『翌朝』、つまり17年後に目覚めたとき、まず自分がまだ13歳だと思い、そうではないことに気づいてから、ハンサムなプロスポーツ選手のボーイフレンドと夢の仕事、素晴らしいアパートを持っていても、自分の人生はそれほど素晴らしいものではないことに気づくようになる。ボーイフレンドは良く見たらイケてなくて、友達はみんな密かに彼女を嫌っている。
両親とも距離を置いていて、そして、彼女が子供の頃、本当に心配してくれた唯一の人、マーク・ラファロが大人として演じる隣人で親友のマティとも完全に別れてしまってた。
さて、典型的なラブコメの手法で、大人としての生活の中で本当に間違っていることをすべて知ってしまった彼女は、貴重な人生の教訓を学びながら、多くを解決していく。
云うまでもなく、ラブコメファンタジーの結末でも大きな驚きはない。
多くの人がそうしたいと願うやろうし。
今作品は、そのオリジナリティ(『フリーキー・フライデー』(1976年)や『マイ・ベスト・フレンズ・ウェディング』(1997年)を意識しているように見受けられる)、あるいは脚本はごく普通だが、ある大きな要素によって輝きを放っている。それは、ジェニファー・ガーナーの存在かな。ジェニファー・ガーナーの画面上での存在感は、ジュリア・ロバーツでもリース・ウィザースプーンでもなく(彼女たちの器量には到底及ばないが)、他の誰もこの役を演じることを想像できない、オーバーリアクションやけど、微笑ましく身近に感じる。
大人バージョンのジェナを演じた彼女は、イライラしたり子供っぽくなったりすることなく、子供らしさを表現していました。
オタクで、不器用で、カッコ悪くて、それがいつしか共感をもてる存在になってるんやしやはり巧みなんやろな。
ただ、シラこい(わざとらしい)動きは散見されるが、それもまたこないな作品では愛嬌になる。
ガーナーの存在感のおかげで、演出云々はどうでも良くなった。
彼女は間違いなくハリウッドのイットガールであり、最近では2022年の『アダム&アダム』もご出演してたけど存在感は変わりなくあった。
ただ、あえて欠点をあげるとしたら今作品で個人的に第3幕でドラマチックな展開になるところは少し好みじゃなかったかな。完全にギアが切り替わり、笑いを取りに行くのをやめ、涙を取りに行くようになってた。
このジャンルでそこは必要なこととは思えませんでした。 
たしかに、主人公はある時点でどん底に落ちなければならない。
贖罪に意味を持たせるために、彼女はできるだけ低い位置に立たなければならないけど、このやり方はやりすぎなんかなぁと。
まるで脚本家が『よっしゃ、笑わせたし、次は泣かせたろかっ』と云ったかのようにさえ見えた。
まぁ、個人的きは全体として良い映画だと思います。
『恋人たちの予感』(1989年)『ベスト・フレンズ・ウェディング』(1997年)やに並ぶようなロマンティック・コメディやないが、見て楽しむだけの素晴らしい映画でした。
特に、ジェニファー・ガーナーが初めて主役に挑戦した作品であることを考えると(十分彼女は目標ふ達成してるし)今になれば、それもまた特別感も増し楽しい作品でした。
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