horahuki

陰獣の森/ふりむくな!忍びよる殺人鬼の影のhorahukiのレビュー・感想・評価

3.7
一人で森に入るな!

山の中にやって来た若者たちを小汚いオッサンがkillしていくスラッシャー。ボディカウントが途轍もなくて、気を抜けば誰か殺してる。数人の男女がメインなのだけど、山の中にいる他の登山客がどんどん殺されていき、主人公たちにも魔の手が!『13日の金曜日』フォロワーの中でもかなりの異色作!

何が異色かって、メインキャラたち以外の多くの人が、何もせず、セリフもほとんどなく、ただ森の中に現れては数秒後に殺されていく。テレビ番組のCM?ってくらいに急に展開をぶった切って、殺されるためだけに現れた人が殺されるだけのシーンになってまた本編に戻って…の連続!コレはある意味斬新!

前半はメインキャラたちとその他大勢がkillされていくのをひたすらに見せ、後半は反撃展開にシフトする二部構成。キャンプ系のスラッシャーはほぼほぼ逃げ惑うだけの作品が多い中、明確にリベンジのための闘志を剥き出しにするのも珍しいような気がする。しかもそれが仲間たちに臆病者だとバカにされていた人だというのが熱い!

鉄道が撮れる!とか言って一緒に来たママをほったらかしにしてはしゃぎまくる撮り鉄くんは崖から突き落とされ、何故か山奥に車椅子で一人でやって来て、舗装もなにもされてない道なき山道を車椅子で果敢に攻めようとする無謀なオッサンは背後から首チョンパされ、やたらとお互いの名前を呼びまくるディックとチェリーとか言うふざけた名前のカップルはキャンピングカーごと突き落とされたりと、殺人鬼さんがボケに対してツッコミするように処していくのが笑える!

あと大袈裟すぎるbgmが良くて、恐怖を煽るところは大音量で何の遠慮もなくクソダサ曲流してくるのが逆に上手く作用しているのが意図的なのか何なのか奇跡的な味になってる。殺人鬼の主観ショットを連発する中でも的確に殺人鬼の正面のショットを挟むことで観客を撹乱させるような演出がされたり、トラッキングも恐らくカメラ抱えて走ってるからなんだけど、すんごい激しく追いかけていくのが異様な雰囲気を作り出しちゃってる。

リベンジ展開の時に殺人鬼と間違えて登山客を主人公が刺しちゃうシーンがあるんだけど、すかさず殺人鬼がとどめを刺しにくるあたりに「主人公を殺人犯にしてたまるか!」っていう謎の気概と優しさを感じて笑ってしまった🤣スコア高いのフィルマくらいで、あとはどこ見てもサンドバッグ状態だけど、私もコレは好き!
horahuki

horahuki