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サランドラ IIのhorahukiのレビュー・感想・評価

サランドラ II(1984年製作の映画)
2.9
マイケルベリーマン再び!!
モトクロスの大会に出る予定の若者グループが、大会すっぽかして、途中で遭遇した食人族とバイクで楽しそうに追いかけっこする食人ホラー。

タイトル通り『サランドラ 』の続編。
監督はウェスクレイヴンが続投。そして何と前作で死んだはずのお兄ちゃん、マイケルベリーマンも!この人居ないと『サランドラ 』じゃないですからねー。嬉しい続投です。

あらすじ…
バイクの大会に出るために荒地を車で走っていた若者グループ。そこは、8年前に旅行中の家族と食人一家が殺し合いをした場所だった。若者たちは大会エントリーの時刻に間に合わせるために舗装道路から外れて近道をするが、岩に擦ったのか、ガソリンが漏れ出してしまう。やむなく停車し、ガソリンを求めて近くの小屋に立ち寄るが、その隙に何者かにバイクを盗まれてしまい…。

盗んだバイクで走り出しちゃう思春期真っ盛りなマイケルベリーマン(オッサン)ですが、普段荒地で人襲っては喰いまくってる野蛮な野郎のはずなのに、しっかりヘルメットを被って交通ルールを守る真面目っぷりを見せつけてくるという謎さ。ワルなのか真面目なのか…。設定的に違和感バリバリ。

前作のイケメン、ボビーくんも出てくるんですけど、凄腕バイク乗りで大会出場予定だったのに8年前の事件で心が弱ってるようで冒頭でちょっとお話だけして出番終了。マジか…。なんで出てきたん、こいつ。

そんで食人一家の良心だったルビーも出てきて、こっちはガッツリ物語に絡んで来てベリーマンと肉弾戦を繰り広げたりするのは良いんだけど、もっと活躍して欲しかった…。というか前作で真っ赤っかの「THE END」を見せつけてくれたヒゲグラサン野郎は出てこないのかよ!あいつが見たいのに〜。そんで、今作でも最強ワンちゃんビーストが活躍します。こっちは相変わらず有能で最高!

圧倒的な暴力の犠牲となったごくごく普通の家族が、圧倒的な暴力でもって反撃するという『鮮血の美学』からの流れを汲んでいた前作に対し、スラッシャーブーム全盛期に製作された本作は、そういう「らしさ」は鳴りを潜めていて、普通のスラッシャーのような薄味なものになってしまっているのが残念。

前作から明らかにスケールダウンしてる上に、シーンの繋ぎの乱雑さとか、各キャラクターの顛末の描きの甘さとか、モトクロス選手の設定ほぼ活かせてないとことか、気になるとこが多いし、何より、楽な勝ち筋をあえて放棄して、リスクが高いけど魅せる勝ち筋を選ぶ登場人物たちの良くわからん思考回路には笑けてきます。そんな訳で内容的にはかなり酷い。あの『エルム街の悪夢』と同時期とは思えない荒さ。同時期やから手抜いたんかな。

あと是非前作と今作のジャケ画像を比べてみてください。色を変えてちょっとだけ手を加えただけな清々しい手抜き具合を味わえますよ♫というか今作ジャケの真ん中にあるカレーライスみたいの何??笑
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