ーcoyolyー

イン・ハー・シューズのーcoyolyーのレビュー・感想・評価

イン・ハー・シューズ(2005年製作の映画)
4.0
キャメロン・ディアスは頭が悪いわけではないのに識字障害と計算障害があることで馬鹿にされ続けて自信が全くないところに、そのルックスがキャメロン・ディアスであるために欲望の対象とされてしまう、そして彼女が世間に認められるのはそのルックスだけであったがために自分の価値を確認するために片っ端から寝てしまう。不安に駆られたその行動だけで世間は尻軽女と評価する、そういう軽度知的障害や境界知能の子が吹き溜まっている風俗業界なんかにもよくある話。

ただキャメロン・ディアスにはメンターが現れた。それまで周囲にいた評価する人々、教師より格上の教授だったお爺さん。彼は彼女の障害を見抜いた上で彼女を「A+」と適切に評価する。初めて適切に評価されたことで自信を持ち始め見違えるようになったキャメロン・ディアス。このくだりが恩師を持たない私には羨ましくてしょうがなくて泣けてしまった。私は私より程度が低い人間に評価され続けてお守りをしてる風な気分になってる人物のお守りをさせられることがまっぴらごめんなのだけどそれ以外の関係性を知らなくて、メンターや恩師を持っている人がどういう感覚なのかよく分からない。ただ憧れるだけで。だから思いもよらない場所でそういう人物との出会いを果たしたキャメロン・ディアスのように仄かな期待を抱いてその時を待ちたい。

この映画のタイトルの意味は「サムシング・フォー」を調べると分かると思います。(キャメロン・ディアス一家は鼻歌で『ハバ・ナギラ』を歌うと姉が怒る程度のユダヤ教設定なので、その宗教であることとこの慣習の関係については私には理解できてませんが)
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