砂場

フランシスカの砂場のレビュー・感想・評価

フランシスカ(1981年製作の映画)
4.0
記録。

去年亡くなったポルトガルの巨匠マノエル・ド・オリヴェイラ監督の追悼上映会@川崎市民ミュージアム。本作は今年日本初公開でかつ未ソフト化作なので貴重な機会。
1850年代のポルトガルの田舎町が舞台。親友同士のカミーロとジョゼという二人の男の前に、イギリス人の美女
ファニー・オーウエンが現れる。ファニーはジョゼを選び結婚するが、ジョゼの奇妙な愛情に次第に精神を病むファニー。
最後は悲劇的な結末に!!
3時間弱の大作でしかもセリフの量がものすごく多い。文学小説の長編朗読映画のようなテイストだ。前半は登場人物たちが、愛とは、、を饒舌に語る場面が多くウトウトしてしまうところもあるw
ただ、登場人物たちの視線の交錯を場面によって変えており映画全体を起伏に富んだものにしている。
男同士では視線を合わせるが、男と女は視線が交錯せずまるで舞台のように全員がややこっちのカメラ方向を向いているとか、4、5名が登場すると視線がアッチコッチというという特徴のある構図はバルテュスの絵を思い出した。
カメラも室内はフィックス、屋外は結構振り回しているなど視点の置き方に工夫がある。ジョゼがビンに入った妻の心臓に話しかける場面などはホラー展開+全く同じ長セリフを視点を変えて反復すると言う異色の演出にはしびれた。重量級の名作だった!
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