当時、約一か月後に控えていたＮＹ出張が、このテロ事件で中止になった。もし、このテロがちょっとずれていたら、私も巻き込まれていたのではないか、と思うと、身の毛がよだつ。さらに、本社のひとりは、この一便前でＮＹに移動していた、と後に聞かされて、紙一重の運命に驚かされたものである。
ＴＶニュースで映し出された衝突画像は、まるで映画のワンシーンのようで、嘘だろ？ 誰もがすぐには信じられなかったはずである。世界は、騒然となった。テロ集団の本格的な恐怖は、この事件以後、さらに激しくなった。
映画は、その忘れじのメモリアル・ムービー。想像するに、キャスティングに苦労したのではないか(出演を辞退した俳優がいたかもしれない、という自分勝手な思いだが)。１２０分を超える長編になったが、もう少しカットしてもよかったかな、という気がしないでもない。
間一髪救出されたニコラスとマイケルが、担架に載って瓦礫から出てきたとき、周囲に愛嬌を振りまいているように見える。元気だよ、ありがとう、と表現しているのかもしれないが、現実感がわかない。この後のラストシーンで十分な気がするが。
先ごろ命を絶たれた日本人ジャーナリストの二人に、心からご冥福を祈る。(2015.2.2)
