ペコリンゴ

サンタが殺しにやってくるのペコリンゴのレビュー・感想・評価

サンタが殺しにやってくる(1981年製作の映画)
2.7
記録。
聖夜の返り血。

季節柄TLにクリスマスムービーが溢れかえる今日この頃。ほっこりするレビューに心洗われ、よし自分も!とは思ってみたものの選んだのは何故かコレでした。

幼少期にサンタ(の格好したパパ)がママの股ぐらに顔を埋めている姿を目撃して以降、異常にサンタへの執着を持つようになったハリー。おもちゃ工場の管理職として働く彼は自らサンタとなり、良い子へのプレゼント配りと悪い大人(自分基準)の粛正に乗り出す…。

その邦題の通り、サンタのコスプレしたオッさんが人を殺す内容で、聖しこの夜に真っ向から中指立てるような反骨精神は見上げたもの。40年前の作品であることを踏まえるとなかなかロックじゃん。

とはいえ、それほどサクサク殺っていくこともなく、主人公である殺人サンタことハリーの鬱屈した日常の居た堪れなさと、なんか特有の気持ち悪さが印象に残る。

なかでも、近所の子供たちの部屋を覗き「良い子帳」「悪い子帳」にメモするハリーはかなりの事案。エッチなグラビア好きのモス・ガルシア君は目をつけられているので、同じ趣味を持つ良い子は控えましょう。

どちらかと言えば地味で爽快感に欠く作品なんだけど、不安を煽りまくるキモい劇伴とハリーのねっとりしたキモさが絶妙にマリアージュしてて、クリスマスの煌びやかな雰囲気を台無しにすること請け合い。

最後の最後でメルヘンチックになるのは腐ってもクリスマス映画といったところでしょうか(笑)

今でこそ同系統のホラー映画はそこまで珍しくないけど、ひょっとすると殺人サンタをテーマにした映画の中では最初期のものなのかもしれません。

あ、そうそう。
サンタクロースの衣装って赤いですよね。
その理由って一説によると…。