kazuかず

幸せなひとりぼっちのkazuかずのレビュー・感想・評価

幸せなひとりぼっち(2015年製作の映画)
4.6
妻に先立たれ、後を追うつもりで自殺を試みる偏屈爺さん。しかし、引っ越してきた隣人家族や町の住人のタイミングの良い干渉により、実行は阻止されてしまう。

笑いと涙で溢れ、ペーソスの漂う暖かい人情劇。爺さんが自殺を試みる度に生きてきた人生が走馬灯のように蘇る。親試練と苦難の人生の中で、親との生活、妻との馴れ初め、数少ない友人との交流などが語られる。偏屈爺さんは本当は心優しい。引っ越してきた隣人一家も付き合ううちに理解し、お互い無くてはならない存在になる。新年にふさわしい心温まるストーリー。

偏屈爺さんといえば、すぐ思いつくだけでも、
『グラン・トリノ』
『ヴィンセントが教えてくれたこと』
『カールじいさんの空飛ぶ家』
などの映画が思いつく。
どの作品も、独り身になった生きる意味を失いつつある老人が、他人との触れ合いにより生きる意味を見出す秀作ばかりですね。本作は北欧スウェーデンで国民的な大ヒットを収めた作品であり、上記作品に一歩も引けを取らない素晴らしい秀作でした

今年の3月にイギリスの名匠ケン・ローチ監督の『わたしは、ダニエル・クレイグ』という孤独な老人と隣人家族との交流を描いた作品も公開されます。本作と比べて見るのも良いかもしれません(^-^)
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