Same

GANTZ:OのSameのレビュー・感想・評価

GANTZ:O(2016年製作の映画)
3.5
SFバトル漫画の名作『GANTZ』の中でも屈指の人気を誇る大阪編のストーリーをアレンジし、一本にまとめ上げたCGアニメ映画。
原作は全巻持っていて、一時期はかなりハマった漫画なので思い入れを持って観ました。

CGアニメとしては極上の仕上がり!
作り込みはすごいですね。
日本でもパシフィックリムクオリティで映画作れるじゃないか!!とちょっとした感動を覚えました。
このアングル見たことあるわ!っていうゴリゴリの既視感を覚えながらも、遜色ないクオリティで牛鬼VSガンツロボのバトルがCG化されてましたよー
キャラクターの顔に関してはちょっと綺麗すぎるかなあ。表情筋も乏しいので良くできたダッチワイフみたいに見えるのが残念。
逆にわんさか出てくる妖怪に関してはパーフェクトですよ!原作の絵柄からリアルな質感に落とし込むのは完璧に成功してます。

大阪編なので、関西弁キャラが多数出てくるのですが、ちゃんとネイティブ関西弁を話す声優さんがキャスティングされているのも関西人としてはありがたい。
関西弁のイントネーションは方言の中で日本一難解なので、ネイティブ以外で完璧に使いこなすことはほぼ不可能です。そして関西人にはその微妙なイントネーションの違いが気持ち悪く聞こえる笑
原作も大阪チームは吉本芸人の名前から取ったキャラクターばかりなので、ケンコバやレイザーラモンがキャストに入ったのも納得。

坂田師匠とチェリー、風大座衛門、吸血鬼の氷川などの東京側の主要メンバーがいないのが残念なんですが、一本の映画にまとめるにはこれは英断だったかな。大阪編に入るまでのそれぞれのストーリーを描くには時間が足らなさすぎるし、モブとして出すには個性がありすぎる。

そもそも原作者の奥浩哉はその時好きな映画のテイストとかキャラをそのまま出したり、ストーリーにもムラがあって、原作ではこの大阪編以降クライマックスに向かうのですが、大風呂敷を広げた割にはチープなSF作品に落ち着いてしまい、最後は飽きたのかなというさっぱりした終わりになってしまいましたね。

ともかく大阪編をここまで上手くまとめて一本の映画に落とし込んだのは素晴らしい手腕です。ただ、全く何も予備知識のない人が見て面白い映画になっているかはちょっとわかりません笑
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