Same

X エックスのSameのレビュー・感想・評価

X エックス(2022年製作の映画)
3.3
ポルノ映画を撮るためにテキサスの田舎の農家にやってきた6人が味わう恐怖!

『悪魔のいけにえ』に対するオマージュを強く感じる今作、さすがタイ・ウエスト監督って感じですね。良くも悪くもB級ホラーに仕上がっていて、夏休みにゴロゴロ見るには最高っす。

適度にネタバレしながら書きますので未見の方はお気をつけて


ポルノ撮影のため一行が部屋を借りた田舎の農家には気難しそうな老夫婦がひっそりと暮らしていました。この老夫婦がなかなかのクセモノだったわけですね。この夫婦の老婆の方、かつては美しい踊り子だったパールは、戦争のせいで思い描いていた華々しい人生が叶わず、失った幻の青春に囚われていました。そこへやってきた、若く色気を振り撒くポルノ女優のマキシーンに目を奪われ、自分の現状とマキシーンを見比べ絶望し、かつての自分をマキシーンに投影します。

若さへの嫉妬や、まだ自分の魅力が失われていない事に対する願望が入り混じり、旦那と共にこのポルノ映画制作にきた若者たちをぶっ殺す事にするのです!
自分にはもう取り戻せない若さと自由さを越えるにはぶっ殺すしかない!笑

といってもこの老夫婦これが初めてじゃなくて何回もやってるんですよね。
中盤のポルノ撮影まであたりがちょっと冗長かなあと思いますが、そんなシーンも意味ありげに撮れるのはさすがタイ・ウエスト監督ですね。
抑圧されたパールと1979年当時の最先端の奔放さの対比を描くためには必要でしたかね。

殺人鬼夫婦の本領発揮以降は、なんの落ち度も無い若者が、ヨボヨボの老人に油断して血祭りに上げられていくシーンがテンション高く描かれていて、バリエーションも豊富だし、老人ギャグも織り込んでほっこりさせつつ、いい具合に狂ってて良質のホラーを見てる気持ちになりました!いいね!
腰痛めたり、びっくりして死んじゃうとかかなりよかったですよ。

パールとマキシーンをミア・ゴスが一人二役で演じていて、これ続編もあって3部作になるんですか?なかなか楽しみですね!
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