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CUBE 一度入ったら、最後のSameのレビュー・感想・評価

CUBE 一度入ったら、最後(2021年製作の映画)
2.0
なぜ今更、どの層に向けて日本リメイク版を作ったのか意味がわかりませんが、CUBEシリーズは全部見ているのでこちらも期待値低めで鑑賞。そして見事その低い期待値すら下回ってくれました。
ふんわりネタバレしてますので、未見の方はご注意を

CUBEをリメイクするにあたり、原作を知っている層や目の肥えた映画ファンに向けて本気で作るのならこのキャスティングは無いですよね。菅田将暉、斎藤工、岡田将生、杏っていう、テレビのゴールデンタイムドラマの人気者の皆さんで固めて、明らかに若者をターゲットにして作ったんですかね。内容云々より人気芸能人である程度稼ごうという邦画の一番悪いところが出てましたよ笑
エンディング曲もまったく映画の内容と合ってない星野源で、とにかくタイアップで儲けられるっしょっていう、鼻くそほども気持ちの入ってない選曲ですよね。

キャラクターの違いやトラップの細かい違いはあれど、基本的にはオリジナルとほぼ同じ設定でした。
本家のCUBEも全く同じ四角い小部屋の中だけで起こる密室劇であり、超低予算なのですが、なぜか日本版はCUBEの室内すらチープな装い。それに加えて、特に岡田将生と吉田鋼太郎のオーバーで安い演技によって、リアリティと緊張感が削がれてしまっていました。もっとこれにあったクールでリアリティある演技のできる人集めようよ。人気者の中にもいるじゃないですか。杏みたいなちょい下手役者さんじゃなくて、橋本愛とかならもうちょいCUBEのトーンにハマったと思うけど。
さらには執拗に挿入される菅田将暉演じる後藤の過去のトラウマ。よりしつこいことにそれを映像でわざわざ見せるというトラップ?まで登場。あんなんいらんのよー。そもそもあのトラップなんだ笑
オリジナルCUBEって時代とか時間とか外の情報を一切見せない事が想像力をかき立ててくれたんですよね。

この日本CUBEも極限の人間性みたいなものが追い詰められていくにつれて徐々に暴かれていくんだけど、唐突で安っぽい豹変なんですよね。傑作であるオリジナルと比べて脚本のヘボさは特に際立っていました。

というわけで、出演している人たちの大ファンの方以外は迷うことなくオリジナルをご覧ください。オリジナルのはるか低空をいくリメイクなんて見なくて大丈夫です!
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