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イングロリアス・バスターズの10000lyfhのレビュー・感想・評価

3.0
ナチス占領下のフランスを舞台に、復讐や殺戮や亡命を企図する仏米独さまざまな人々の織りなす群像劇。ナチスに家族を惨殺されたユダヤ系フランス女性の復讐劇(1, 3, 5章)と、ナチス隊員殺戮をミッションとする凶暴なアメリカ人たち(2, 4, 5章)の 2本の軸がクライマックスで結合。さらにアメリカへの亡命を試みるナチス高官のストーリーが絡む(1, 3, 4, 5章)。フィクション要素は多いが、基本トーンは格調高い歴史もので、タラ的には新境地への挑戦。それでもタラ的要素は多々ある:映画愛、「アルジェの戦い」など映画音楽の引用、当時存在しなかったロックの使用(さすがにソースミュージックでなく劇伴として)、人物紹介のポップなフォントの字幕(これは無い方がよかった)、そして終盤に至って人が死にまくる。すでに強い独自スタイルの確立された監督が、新領域に挑んだ時の地に足がついていない感もあるが、シリアスにリアルでも、風刺的にカリカチュライズドでもない、タラならではのポップなナチス映画
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