むぎちゃ

アングスト/不安のむぎちゃのレビュー・感想・評価

アングスト/不安(1983年製作の映画)
3.1
まず言いたいのは、この映画のプロモーションの一つであるやたら恐怖を煽るような文言の数々は嘘っぱち…は言い過ぎか、でも誇大広告。
不快感はあったがどの要素も別に突き抜けてはいなかった印象。

要は本当に面白けりゃ埋もれないだろって事ですわ。

さて、独特なカメラワークからこの映画は開幕する。
彼の動きに合わせてカメラが上下(スタビライザー?今の時代に観ると自撮り棒撮影するYouTuberみたいだった笑)することで、世界が彼に合わせて動く、彼中心に世界が回っているような感覚に陥る恐ろしい演出だ。いきなり身勝手な事件を起こすから尚更だ。

その後も彼曰くの完璧な計画とやらは何一つ進まず、行き当たりばったり。某屋根裏の殺人鬼みたい。

個人的にビビっと来たのはラストカット。
ドッキリビックリトランクオープン!…自体よりも、その後のカメラワーク。
猟奇殺人鬼だって空想の生き物じゃない。世の中にひっそり生きてる。もしかしたら道路の向かいにあるガソリンスタンドに今入った人かもしれない。そんな現実をそっと映し出す演出、良かった。


で、ここから本題なんすけど…。
割と序盤のシーンのとこ。
娘が目の前で襲われても後ろの方で無表情棒立ちのマダム。その娘も無表情でドアノブに括り付けられ、その後も身体を少~しくねらせるだけ。
時代だなぁと思いつつ観てたこの辺のシーン。いやしかし人の感情、それも根源的な恐怖のリアクションなんて古今東西変わらないのにどうしてこうなったんだろうと疑問に。映画演出に詳しい人教えて…。
むぎちゃ

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