2020年187本目。
想像よりずっと見やすかった!笑
実際の事件を題材に異常な思考を持った犯罪者を描く作品ではあるので、「見やすい」というのは大胆な感想だとは思うけど。
主人公の犯罪の動機、思考、言動の異常性を描いているという点では、
過度なグロ表現が無くて、主人公の演技一本という感じがして、シンプルで見やすかった。
この映画の主人公の行動の不可解さや、主人公の殺人に対する思考や拘りを観客に垂れ流す演出にちょっと既視感があって、考えてみたらトリアー監督の「ハウスジャックビルト」のジャックだった。
だけど、「ハウスジャックビルト」の方はゴア表現が個人的に結構キツかったのと、フィクションと割り切っても倫理上耐えがたい映像表現が結構あったので、それに比べるとこちらはずいぶんシンプルに集中できた。
不安にさせる音楽とカメラワーク。
俯瞰視点の映像で見れる主人公の動きから感じ取れる異常性。
異常な汗。表情。
この主演の人すごい。
古い映画なので、CGや特殊メイクの技術が発展していない分、あらゆることが洗練されている気がした。
まぁ、公開中止になるのは理解できるような作品ではあるけど笑
個人的にはレストランにおける、主人公、店員さん、老人、若い女性二人という登場人物のセリフのない異様な空間が最高だった。
ソーセージを噛みちぎる音、咀嚼音、緊張感のある目線。
「あの空間にいたくない」と思わせる空気すごい。
老人がめっちゃいい味出してる。
番犬になり得ない緊張感のないワンちゃんの存在も良かったな。
映画を取り巻く緊張と不安の空気の中で、ずっとマイペースな稀有な存在だった笑