イヴは、母親マリアが何者かに殺されるのを目撃する。葬儀の日、寄宿学校で母親と同級生だったクリスティナから他の同級生も死んでいることを知らされるが、クリスティナも死んでしまい、真相を知るためイブは母親が行くはずだったバルセロナの寄宿学校へ向うが…というストーリー。
今やすっかりホラーアイコンの一つとなった感があるシスターを題材にしたオカルトサスペンスホラーです。原案でジャウマ・バラゲロが参加しています。
友人達と共にバルセロナを訪れたイヴたちは母の寄宿学校時代の同級生を訪れるも殺されており、廃墟となった寄宿学校で母の同級生らと共に復讐に燃えるシスターの怨霊と対決することになるという内容です。
最初の方から出し惜しみなくシスターの怨霊が現れます。水を媒体にして現れるので足元に忍び寄ってくる水やバスタブから水滴が奔流のようになって現れシスターの亡霊が現れたりする水を使った演出が印象に残りますね。水の中から現れ、宙を泳ぐように漂うシスターの亡霊も不気味さと美しさを感じさせます。顔はもっと腐乱したような感じの方が怖かったと思うけど。フラッシュバックで描かれる人間時代の方が美人だけど鬼気迫る表情してて怖いですね。
シスターの亡霊によって次々と母の同級生たちが襲われていきますが、水を媒体にしてるから溺死で死なすのかと思ったら、包丁で喉切り裂いたり、エレベーターで両腕切断したりガラスに突っ込ませて破片で首チョンパしたりと殺し方も多彩です。後半でそれに意味があることが分る所も良かったですね。切株描写も有りますがアッサリしたものですね。
かつて母たちが犯した罪と襲われる原因は冒頭や時折挟まれる過去のシーンで容易に想像つきますが、何故18年も経ってから復讐が始まったのか、イヴの母親の自殺未遂やイヴにそれ以降の記憶がない等の謎が徐々に解き明かされ、最後に全体像が明らかになっていくミステリー風の展開も楽しめました。クライマックスのシスターとの戦いに向けてイヴたちが奔走していく所も適度に緊張感あって良かったです。
イヴ役のアニタ・ブリエムの薄幸そうな北欧美人のルックスがハマってました。イヴの事を常に心配してついていき協力する友人ジュリアがいい子過ぎましたね。いつもカメラ回してるチャラ男っぽいジョエルが意外とまともな事いうのちょっと笑った。あのカメラは重要なアイテムになるかと思ったけど全然そんな事なかったな。現地で出会って協力してくれる神学生ガブリエルもジョエルも男性陣もイケメン揃ってましたね。
終盤であの人が死ぬのはビックリしました。ベッドでいちゃついてたからかと思ったけど、ターゲット以外は狙ってなかったからあれは本当に事故死という事なのかな？
ラストのオチはちょっと適当というか雑な感じだったかな。「分かったかもしれない」ってなんでお前が全部謎解いちゃうんだよ(笑)お前そんなキャラじゃ無かったろ(笑)あそこで語られる真相もエレベーターのとことかかなり無理あるような…結局虐待のトラウマで生み出した人格なのか、それともシスターが乗り移ってやっていたのか…確かにパーティ会場で全身に水かかるとこアップで撮ったりしてたけど。最後に残るのがこの二人なのは意外だったな。絶対死にキャラだと思ってたのに。
ラストの水中で漂う死体は幻想的な美しさが漂っていました。
スパニッシュホラーとしては拾い物の部類に入る作品だと思います。

記録用。2020/12/13
シスターのような影に母を殺された娘、立て続けに母の同級生が不審死し、娘は真相を探る…。序盤からヒント満載の構成で、恐怖描写とゴアがいい塩梅。ただ出してるヒント通りのストーリーに、ラストの一捻りも力不足で結果的に残念な終わり方。

フェルナンデスにユズナ、原作に至ってはジャウマ・バラゲロとまんま「ダークネス」のメンバー再結集。
それだけで個人的には期待値が上昇しますが、観終わっても期待通りの出来に一人悦楽気分でした♪

内容は、母を殺された主人公の行く先々で血なまぐさい惨劇が起き、真相を掴むため訪れたカトリックの修道院で・・・。てな話です。

先ずゴシックホラー要素の修道院、寄宿舎、シスターで禍々しい妖しさを醸し出し、惨劇シーンでは人体パーツがストンっと切断、串刺しなど衝撃映像で見せ場を作り、実は殺され方には謎がある仕掛けなどサービスも満点、霊のCGもおぞましくて久々に胸がギュっと締め付けられました。

水を操る霊なんで、オチもなるほどと唸りました。

いやぁー大満足の一品でした♪