スーザン・ジョージが夫サイモンと作った独立プロで製作した戦争ドラマで、あるいは君がいた夏。舞台は第二次大戦中のユーゴスラビア、当時クロアチア独立国とされていた地方の田舎の水浴地で、スーザン・ジョージの未亡人が息子とやって来、トム・コンティの監視人とドイツ軍欺くため偽装結婚をする。ある日、今まで人をひとりも救ったことがないコンティがやっと救助した男はドイツの将校だった。サスペンスにも恋愛にも、どっち付かずなのが賛否の割れるところだと思うが、コンティのとくになんの役にも立たない男ぶりはよい。彼の父親はナマズに殺されたという。忍び寄るナマズの影。取り乱してコンティは愛する人たちを危険に曝す。人に勧めようとは思わないが、印象深い作品だった。