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私の少女時代 Our Timesのkoyaのレビュー・感想・評価

私の少女時代 Our Times(2015年製作の映画)
5.0
アンディ・ラウがエグゼクティブ・プロデューサーをして、FOCUS FILMSの映画です。
可愛い映画です。後味がいいというか、私は大好きです。

2015年の私と高校生だった1990年代の私。
安月給で残業ばかり、休暇もとれず、部下の若い人から、「ああはなりたくない」と影で言われてしまっている、30代後半の女性、林真心(リン・チェンシン)。恋人はいるけれど、つまらない男。

そして、思い出の高校生活になります。
メガネでぼさぼさの髪、そしてスター、アンディ・ラウ(劉徳華)が大好きでたまらない普通の女子高校生だった林真心。

一言で言うと「誰が誰を好きなのか」という事なのですが、1990年代の台湾の高校生たちがきらきらしていて、いきいきとスクリーンの中を走り回って、とてもかわいらしいのです。
台湾の高校って、クラスは男子と女子別々だったんだね、とか興味深い事がたくさんありました。

林真心は、アンディ・ラウの大ファンですが、女の子たちは、それぞれスターやアイドルに夢中。「写真を買えば買うほど、スターに近づけると思っていた」・・・最初にラジオのニュースで小虎隊のメンバーが兵役に行く為、芸能活動休止の事を言っているから、1992年頃だとわかります。
金城武、アーロン・クォック、小虎隊・・・そんな言葉が出てきて楽しい。チャウ・シンチーの『チャイニーズ・オデッセイ』を観に行こうよ、などという台詞もあります。

一番感心してしまったのは、ドジな林真心が、とにかく転ぶのですが、その転び方。けがしなかったかな、と思う位、迫真の転び方を何度もするんです。
そして、私の高校時代もそうだったのですがサージの制服。
雨に濡れてしまうと、ぼってりと重たくなってしまうんだよね、、、などと思い出す、そんなささいな事がとても丁寧に描かれています。

「実は・・・」というのがとても多いのですが、事のはじまりは、林真心が受け取った手紙。ラブレター???と思ったら「不幸の手紙」だった・・・他、伏線がたくさんあって脚本上手いと思います。

台湾と日本の高校では違う所もたくさんあるけれど、よく似た所もあってこれは欧米の人にはわからないと思います。
可愛い映画で、こういう映画、意外と日本映画にはないですね。
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