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『犬神の悪霊(たたり)』に投稿された感想・評価

horahuki

horahukiの感想・評価

3.7
ウランvs犬神!

「ウランこそ日本の宝!」勢力と「危険だから絶対NO!」勢力との原発論争。原子力開発の始まりとともに各地でウラン探しが行われた時代を背景に、新しい時代の到来とその変化を危険視し抵抗する古き良き日本という対立構図を、原子力エネルギーvs犬神という図式に託した怪談らしい作品。そう思うと『犬鳴村』って本作からの影響をモロに受けてるんじゃないかな。

そんな日本史的な過渡期を描く本作は、怪談とモダンホラーの橋渡し的位置づけの作品で、日本ホラー映画史的にも過渡期を体現することになるというリンクが面白い。

ウランが利権と結びつくことで集団となり、反対派である犬神憑の家系(垂水家)を村八分にする。垂水家は、そういう意味では失われていく古き良き日本を象徴した存在。外圧的に新しい時代が「日本」を蹂躙する。主人公はウラン発見者の一人でウラン側のドンである地主一家と結びつくのだけど、次第に垂水家へと心が移行していく過程を全編を通して描くことで、観客をウラン派→「日本」派へと誘導するような作りになっている。

そして、ドン家の少女に象徴的な役割を担わせており、神視点というか一歩引いたアドバイザー的位置づけなのが面白い。その少女の顛末はまさに神の怒りにふさわしい。

赤い布による神化は非常に面白い表現だったし、背後の桜、ヒビの入る鏡像、怪猫映画のようなクライマックス等々真面目な演出も多いのだけど、半裸で寝転ぶ女を男が取り囲んでおにぎりを練り込むというどう考えてもお楽しみなだけの行為を「除霊」と言い切るあたりに闇を感じた🤣🤣何でかわかんないけど、素っ裸で戯れる美女2人とそれを必死に覗く男たちというアホなシーンを最序盤に入れてくるエロ方面での気合いの入れようも素晴らしい!そんで結局アレはいったい何やったんやろ…😅妙に神々しかったけど(笑)

こちらでも映画館が徐々に再開していくようで、めちゃテンション上がってます👍今週末さっそく何か行こうかな♫激コミしそうだけど😅
KUBO

KUBOの感想・評価

3.5
東映チャンネルで放送された「カルト的名声高い」作品ということで見てみたんだが、なかなかの怪作でした。

76年の『犬神家の一族』の大ブームを受けて、東映さんが作った77年作品。

「犬神憑き」「童歌」「座敷牢」とか、横溝正史的キーワードは全部使って作った、エロティック・オカルト映画ですな。

まず前半の持つ雰囲気は、古谷一行の『金田一耕助』シリーズくらいのゆるい感じ。

女性の水浴を覗き見していた大和田伸也が、木から川に落ちて、間抜けな姿がストップモーションになるところで「こりゃダメだ」と思った。

本作の見どころの1つが、当時男性に大人気だったポルノ女優の「泉じゅん」が準主演として出演し、ヌードを披露しているところ。大和田伸也は思いっきり乳首吸ってるし、ちょっとポルノ風。

時代性もあるだろうが、音楽の使い方がベタを通り越して陳腐。どこからどこまで全部流れる「劇伴」が、かえってシーンを台無しにしてる。

だが犬神の祟りが本格化してくる終盤になってくると、それまでゆるゆるだった雰囲気が一変し、急に加速する。

本作は横溝正史のようにオカルト風ミステリーじゃなくて、まっすぐに「オカルト」。

要するに『八つ墓村』の「田治見要蔵」が起こした惨殺事件だけにフォーカスしたような作りだから、映像的には今ほどではないにしろ、かなり死ぬし、容赦はない。

特に終盤の山場で、泉じゅんの妹役の「長谷川真砂美」が見せる目の演技のすごいこと! この子役はこの後『ねらわれた学園』他数作に出ただけで引退しちゃったみたいだけど、印象的な眼差しをしていたなぁ。

最後まで見て、まずまずおもしろかったんだけど、あのラストは何⁉︎ あれで台無しになった感も。

とりあえず、滅多に見れないカルト作品を見せてもらいました。
記録。
何故溶ける…?

『エクソシスト』『オーメン』を凌駕する日本初の本格オカルトとの謳い文句が非常に頼もしい。確かにある意味で凌駕してる気はする。

永らく封印気味であったのも納得。

イヤらしい村八分描写と、後半の付いていくのが困難なイミフ超展開、そして大和田伸也の何か憑いてそうな迫真さにお腹いっぱい。いや胃もたれしそう(笑)

明らかに当時のオカルトブームにちゃっかり便乗しようとしてるのが見え見えなんだけど、そこには洋画におけるそれとは明らかに違う異次元空間が広がる。これが日本の底力か。

うーん、上手く言えないけど、とにかくとんでもない香ばしさを放つ作品なのは間違いない。オカルト映画ってよりカルト映画だよなぁ。。

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