箱蛙

エレクション 死の報復の箱蛙のレビュー・感想・評価

エレクション 死の報復(2006年製作の映画)
3.5
前作で一見人格者っぽく跡目を継いだロクが見せたラストシーンの「えええぇえ?」感を引き継いでの続編鑑賞。

あの儀式はなんだったのですか?
あの誓いはなんだったのですか?
みんな、夢で、ありました……(なぜか森田童子風)

まぁ、そんなこと言ってられない時代にとっくに突入していた香港黒社会。いやもう他の黒社会映画だってどこの国だって、仁義なさすぎる戦いですもんね。冒頭はなっからみんな鼻息荒い。堅気になりたいルイス・クーだって自分のために鼻息荒すぎて、なんでいきなりそこまでやっちゃうのー?だし。

そんな時代の流れの中でニック・チェンの存在が切ない。前作で一本気に組織に尽くす姿がすかっとしてたのと違って、自分が捨て駒だと気づいてるのになお…彼はこの後どうなるのだろうなぁと唯一心配になる役柄。気になるので3作目も見ようかと思っていたら、どうも全然違う話みたいですね。

なんの因果か7月1日前日にこの映画を観てしまったという…特典映像の監督インタビューを観て、なるほどと思うのと同時にいろいろ複雑な気持ちになりました。この2作、撮っておきたかったんだろうな、監督。アクションとか拷問や殺しの手法より、そっちのほうが重く響いた。

そしてサイモン・ヤム。ほんと怖い、いい役者。
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