磔刑

ポッピンQの磔刑のレビュー・感想・評価

ポッピンQ(2016年製作の映画)
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「ゴミを集めてゴミを作る」☆0.0

まずこんな作品の為にレビューを書き時間を費やす事が不快、不愉快に感じる。この世の不毛、虚無、無益を詰め合わせた現代のナイトメア。アニメ界の癌細胞。そんな作品だ。

なぜ異世界なのか?なぜダンスなのか?なぜ突然バトルが始まるのか?演出やストーリー、キャラクターその全てに疑問符が終始付きまとう典型的な“ファンタジーを製作陣の力量の無さの言い訳の為に使っている”説得力皆無のゴミ溜め的内容だ。物語の全てに記号以上の意味は無く、テーマやメッセージ性もこれ見よがしに掲げるているだけで無意義以外形容し難い。
世界観やキャラクターのビジュアルも近年の人気アニメの焼き回しでオリジナリティのカケラも無く、「こんな風に豚共に媚びてればヒットするんでしょ?」ってゲスい考えが透けて見えて仕方ない。流石にこの出来じゃ大きいお友達もサイリウム振りかざして奇声を発する事もないだろう。

ダメ出しするとキリが無いので特に目に付いたものだけ挙げるなら、敵の本陣の城に行くまでのボロ橋を渡る演出が糞過ぎて脳が溶けるかと思った。ファンタジー世界は現実の葛藤や成長のメタファーだ。それは主人公達の変身した姿や必殺技に集約されている。の筈だが橋を渡るシーンだけは都合良く能力は封じられ、妙に具体的に短距離走の自己ベストを超えろと言われ違和感は半端ではない。折角来た筈のファンタジー世界でそこまで現実に寄った演出をするのなら初めから現実を舞台にしろよと言いたくなる。その演出の一貫性の無さ、初志貫徹しない姿が“ファンタジーを逃げ道に使ってる”と言われるんだよ。しかも渡り切った後にスイッチ一つで新しく綺麗な橋が架かるのもファンタジー世界での整合性の喪失、テーマすらも記号化される行為に他ならない。
そもそもダンス要素の必要性の無さに一番驚く。ラストにモブ爺が言い放つ「もう間に合わん!みんなで踊るのじゃあ」ってセリフが“ダンス演出が近年のアニメのトレンドだから取り敢えず取り入れたんだけど、上手く使いこなせないしもう時間無いから、取りあえず踊ってとけ!!”って糞雑な製作陣の思考がそのまま台詞に現れてて糞笑える。しかも喋れなかったキャラもどさくさに紛れて喋り出したりとラストのカオスっぷりは凄まじい。

他の作品のレビューで“演出が邪魔でテーマやメッセージが逆に伝わり難くなり得る”点を指摘してる。しかし今作はそんなレベルじゃない。製作陣の技量、力量、知性、その映画製作に必要な全てが足りず、今までに評価した作品全てに+☆1.0したくなる程の底辺中の底辺の出来だ。『君の名は。』や『聲の形』のヒットの波に乗れなかったのが深く頷ける。観客もそこまで馬鹿じゃないんだよ東映さん。低年齢層向けである事を言い訳に使うならそれこそ『プリキュア』で事足りるし、益々この作品の存在意義は希薄になるだけだ。
あとエンドロールの後に続編を示唆するクッソ長い余談があるのだが、幸か不幸か今作が大コケしたので続編は間違いなく製作されないだろう。むしろ製作している途中で続編なんてありえない事を気付け!全く作品を客観的に見れてない証拠だろ。しかも本編を疎かににしながらウキウキで続編の予告作ってる辺りで製作陣の意識の低さが滲み出ている。もし厚かましくも続編が公開されたのならその度胸に免じてその時は劇場に足を運んでやるよ!!
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