なお

不思議惑星キン・ザ・ザのなおのレビュー・感想・評価

不思議惑星キン・ザ・ザ(1986年製作の映画)
3.8
『DUNE/デューン 砂の惑星』新作公開に向け予習。

ウソです。「砂の惑星」くらいしか共通点ありません。
ずっと見たい見たいと思ってたところに突如アマプラ配信がスタートしたので鑑賞。

ロシア、もとい当時のソ連でカルト的な人気を誇り、実に1,500万人あまりの来場者数を記録。
現在もそうかは知らないが、一部のロシア国民は本作の登場人物たちのユーモラスな会話を真似してしゃべることもあるのだとか。

✏️Qoo…
「独特」「前衛的」「アバンギャルド」
古今東西の「なんか変なもの」の婉曲的表現をどれだけ持ってきても足りないシュールすぎる内容。

ボタン一つで異星へワープしてしまった技師のおじさんと音大生の若者が、世にも不思議な惑星「プリュク」からの脱出を目指すSFロードムービー。
(タイトルだけ見ると惑星の名前がキン・ザ・ザっぽいが、キン・ザ・ザは星雲の名前)

基本「クー…」しかしゃべらない異星人とのコミュニケーションを取ることから始まり、チャトル人とパッツ人の厳しい上下関係を叩き込まれながら、環境に適応しつつプリュクからの脱出を目指す2人の冒険活劇。
もし自分がこの星にワープしたら1日で発狂してる。

と、序盤こそシュールさ満載のヘンテコ映画といった様相だが、中盤~後半あたりから流れが一気に変わってくる。
なんなら少し感動してましたね。

おじさんと音大生を、なんやかんや言って面倒見てくれたおじさんコンビとの別れ。
ぽっちゃりおじさんとのっぽおじさんのコンビってなんであんなに愛らしく見えるの。

そしてクライマックスシーン。
「バイオリン弾き?」
「おじさん」
もうこんなんほとんど『君の名は。』やんけ。

☑️まとめ
本国ロシアでカルト的な人気を誇るのも分かる、一度見たら死ぬまで忘れない独特でシュールな世界観は一見の価値あり。

余談だけど、本作でマシコフを演じた役者さん、ダニエル・クレイグにめちゃくちゃ似てたな…
後半、おじさんコンビを助けに刑務所に銃を持って乗り込むシーンとか、撮影セットのチープさも相まって初期007シリーズを彷彿とさせる感じがあってすごく良かったです。

<作品スコア>
😂笑 い:★★★★☆
😲驚 き:★★★★☆
🥲感 動:★★★★☆
📖物 語:★★★★☆
🏃‍♂️テンポ:★★★☆☆

🎬2024年鑑賞数:8(3)
※カッコ内は劇場鑑賞数
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