horahuki

地獄墓地・死霊のうめきのhorahukiのレビュー・感想・評価

地獄墓地・死霊のうめき(1970年製作の映画)
3.1
これはゾンビなのか…?

VHSのパッケージにゾンビがうんたらって書いてるのに、最後まで見てもゾンビなんて出てこないという衝撃。透明人間がイタズラしたり召使いをレイプしたりしてたけど、この透明人間がゾンビらしい。英題にも『Invisible dead』って書いてるし。ゾンビってなんなんやろね…🤔

というか透明人間の中身は人間でも何でもなくて、完全にゴリラだったし、もはや透明“人間”ですらないゴリラ映画だったのも笑える😂透明だったからわかんなかったけど、ゴリラが召使いの女をレイプしてるとか想像するとマジでキモい…😱

それでも『吸血鬼ドラキュラの花嫁』やクトゥルフ系(特に『ダンウィッチの怪』)、ポー原作のコーマン作品群を思わせる、城に到達するまでの異様さと疎外感の積み重ねはワクワク。城に住むオルロフ博士は、シリーズもののようなのだけど、名前的に『吸血鬼ノスフェラトゥ』等のオルロック伯爵を思い起こされるし、少なからずドラキュラを意識しただろう冒頭はクラシカルなゴシックホラー味が強くて好きだった。

主人公は医者。主が急病だと呼ばれた城は村人の誰も寄り付かない曰く付きの場所。馬を雇おうにも誰も名乗り出ず、更には馬まで城に行くことを拒む。医者の使命感のもと必死にたどり着いたけれど、主はピンピンしていた。実は主の娘が別のことを頼むために主人公を呼んだのだった。それは主が行なっている秘密の研究のことだった…。

城についてからも意図的にカットを遅らせて違和感を滞留させる手堅さ、感情を乗っけるズームイン等面白いところはあったのだけど、透明人間出てきてからどんどん盛り下がっていって残念。透明人間ってのがまずガッカリだし、更にはゴリラってのがね…。こんなん見たいんじゃないんだわ。あの流れならクトゥルフ的なお話にしてほしかった…。
horahuki

horahuki