タカシ

イノセンスのタカシのレビュー・感想・評価

イノセンス(2004年製作の映画)
3.5
『押井監督は大の犬好き』


押井監督の「パトレイバー」と「2」もだいぶ雰囲気が違う二作だったが、「攻殻機動隊」と「イノセンス」も同様の、イメージの違う二作。

前作の登場キャラの一人、バトーをメインに据えたストーリーはハードボイルドタッチだが、その実、バトーはいなくなった女の事をウジウジと思い悩む女々しい男として描いてるのが面白い。

とにかくセリフの端々に、膨大な引用がなされていて、なんちゅう脚本だい、と思ってたら、脚本は監督自身によるもの。複雑で入りくんだストーリーになったのはそのせいなのか。前作担当の伊藤和典さんのエンタメ成分が少ない分、内省的になったのかな?

とにかくあの「全米で大ヒット!」の続編の脚本を受け取ったスタッフやら広告代理店の人々の困惑した顔が思い浮かぶ。

それにしても画面を埋め尽くすCGの密度が半端なくて、ほとんど画面酔いするような勢い。
CGでもここまで作れるんだねぇ、2Dアニメ。

押井監督はこの後「スカイ・クロラ」を作って、ほぼ実写映画監督になってしまった。
「攻殻機動隊」はもはや別ラインで作品が生まれ続け、「パトレイバー」はなんと実写として生まれ変わった。
押井監督はどこへ行くのか?
WOWOW(18.02.11録画)にて。18.02.25
2018#017
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