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ハッピー・ロブスターの東京キネマのレビュー・感想・評価

ハッピー・ロブスター(1959年製作の映画)
2.0
ミュージカル映画だと勝手に想像してたのですが、コメディ映画でした。 しかし、話はちょっとシリアス。 これが全くうまくハマっていません。

1959年ていうと、ハリウッド映画が劣化し初めている頃ですから、映画史的には時代の変遷が良く解る作品と言えるかも知れません。 スタジオから出てロケーション撮影が多くなっていますし、ボーイ・ミーツ・ガールのプロットをギャグ・ライターがオカズてんこ盛りにしてハッピー・エンドでジャンジャンというハリウッド・コメディのフォーマットを崩して、色々なトライアルを始めたりしてるんですが、殆ど失敗作ばかりで観客も激減している頃でもあります。

このプロットも、ハリウッド・コメディ全盛期の頃であれば、訴えた鉄道会社の社長が新しい恋のお相手だったりしたのでしょうが、これが昔から付き合いのある弁護士のジャック・レモンなんで、お話が地味でいけません。 素直にプロットを読むと、後先考えず裁判沙汰にしたバカ女の話ってだけですし、そもそも事件のきっかけが “ロブスターを殺した!” ってことなんですが、そんな事言ったって殺して喰うために運んでるだけじゃん、なんて突っ込みを感じつつも、この大団円で街の聴衆に向かって演説する弁護士ジャック・レモンにもびっくりです。

“昔の女の人は片手にフライパン、片手に拳銃を持ってインディアンと闘っていたんです。アメリカ人の権利のためにみんなが闘う。これがアメリカなん
です!”

ですと。 インディアンは人じゃないらしいです。 恐ろしいね、アメリカって。

原題は 「It happened to Jane」。 意訳すると「ジェーンに何が起こったか」です。 ひゃ〜、こっちも恐ろしい(笑)
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