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わが谷は緑なりきの10000lyfhのレビュー・感想・評価

わが谷は緑なりき(1941年製作の映画)
3.5
1900年前後のウェールズの炭鉱町で、5人の兄と 1人の姉を持つ少年の目を通して見た、炭鉱産業、労働や組合活動、家族やコミュニティ、結婚、ゴシップなど、人生の様々の側面。悲劇やネガティヴな出来事も起こるが、全体としては、当時の労働者階級の人々のありのままを、ポジティヴめに讃える作品。西部劇要素がないおかげで、フォードのドラマ映画監督としての技術が際立つ。宴もたけなわの中、 2人の兄がアメリカに向かいひっそりと立ち去ったり、結ばれなかった相思相愛の相手の女性の結婚式シーンの最後に、男性が背景にチラッと姿を現したり、といったカットが印象に残る。学業で優秀な成績を残した主人公には、自らの出自に頑なにこだわらず、広い世界に羽ばたいて欲しかったなと、個人的に強く思った。酷い教師像や、その教師に暴力で制裁を加える主人公一家の友人などは、フォードの喧嘩好きな一面が出ちゃったということか。労働者たちのアカペラ合唱が素晴らしいが、本物の聖歌隊を起用しているようだ
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