ビル

余命わずかと宣告されたサラは、故郷にいる元恋人のもとへ戻り、本当の愛を見つけようとするが……

自殺

雰囲気ある作品
なんとも言えませんでした

本当は、、

それぞれの話

語り合う
最後の恋のつもりで

過去
何があったのか

歌も印象的でした

ジェラルド・バトラーの出演作を追いかけたり見返したりしています。
今作は今回が初見。

故郷を離れNYで暮らしていた主人公サラが、病気で余命わずかなことを知り、スコットランドと英国の国境近くにある故郷へ帰還。
父親や幼馴染で元恋人のサムと再会し、残された時間でやりたいことを実行していくストーリー。

ジェラルド・バトラーはサラの元彼サム役。主人公サラと同じくらい重要な役の初主演作ということで、奔放そうに見えるヒロイン・サラに優しく寄り添うサムはとっても素敵。
が、恋愛映画として見ると、いくらお互いに忘れられないかつての恋人で幼馴染とはいえ、サムの現在のパートナーからすると傍迷惑だよなあ… なんて思ってしまった。
サラと父親の物語の方が好きかな。

現在の頼れるタフガイのイメージとは違う細身のジェリーを見られるのと、死にネタで泣かせようとするのではなく、あくまでも「残された時間をどう生きるか」の話なところは好きだった。

ジェリーの初主演作。ギリシャ彫刻のように美しく、細く、繊細な演技をみせる。こんなにキュートだったんだ。まるで別人です。この完璧二枚目俳優の路線で行くこともできただろうに…。以下、長文です。内容に触れています。

脳腫瘍で余命宣告された元カノのサラがニューヨークからスコットランドへ突然帰ってくる。残り僅かな時間をサム(ジェリー)と過ごすために。しかしサムはフレンチのシェフとして妻シャーロットとレストランを営んでいた。

これだけでも強引な話で、気の良いサムはサラの「死ぬまでやりたいことリスト」に振り回され、妻は怒り、傷つく。ずけずけと人の心や生活に入ってくるサラは、父親の昔の恋人まで知ろうとする。

私の中では、病人最強説があって、それを再現しているかのようだった。しかも、サラは病弱さもひ弱さもまるでなく、気が強い。愛想も可愛い気もないんです。

妻のシャーロットがかわいそう。

死の力は強く、二人を結びつけていく。可愛い気のない傲慢なサラが最初は不快に近かったのに、正直に生きようとする毅然とした態度に、だんだんと凛々しさと美しささえ感じるようになった。死への恐怖を克服なんてできるわけない。激しい感情がサラの中で嵐となっていた。

この力強い生命力にサムはかつて惹かれ、再びエネルギーを受けているんだなと納得できた。

サラの父親役ジェームズ・コスモが熟練の演技で、カウチに座っているだけで、どんな人生を歩んできたかが伝わってくる。ただ、驚いたことに、サラは父親を名前で呼ぶ。

余韻は当然もやもやする結果になるんだけど、善悪の白黒をつけない文学的な作品だった。

スコットランドの素朴な景色と、石造りの室内は美しいが、寂れた地方の閉塞感も感じられる。アメリカへの憧れがジャズマンだったサラの父譲りなんだろう。海外へ飛び出していくサラを止めることも付いていくこともできなかったサムもまた大きな後悔を抱えていたのだった。


サラとサムは幼なじみでもあり、ベターハーフという言葉があるが、そんな存在。妻がとにかくかわいそうだった。


何より劇伴が巧み。とくにオペラ、カルーソでソリストが歌い上げるシーンがクライマックス。妻シャーロットはすべてを理解する。


素朴で武骨なジェリーを追って初主演作にたどり着いたら、美しく繊細だった。30歳くらいかな。舞台の「トレインスポッティング」の主役をこの数年前に演じている。

この先、役柄で身体を鍛えていくが、首から下は自分ではないみたいだと言っていたそう。線の細いイケメン俳優の路線になぜ行かなかったの～アクションより私は断然こちらの方が良いんだけどなあ。

• #gena_ジェリー祭り