ペコリンゴ

復讐の絆 Revenge: A Love Storyのペコリンゴのレビュー・感想・評価

復讐の絆 Revenge: A Love Story(2010年製作の映画)
3.4
記録。
復讐と赦し。

一昔前、日本中の男子の股間を席巻し、何故か中国でも絶大なる人気を誇った元セクシー女優、蒼井そらが主演した香港ノワール。

相次いで行方不明あるいは殺害される刑事とその身重の妻。容疑者の男はあえなく逮捕されるが、尋問にあたった刑事はその男に見覚えがある模様。時を同じくして犯人逮捕のニュースを見て自らの腹に包丁を立てる妊婦の姿があった…。

タイトル通りのリベンジもの。
どうせイロモノだろうとタカ括ってたけど、思ってたよりは全然面白かったやつ。

あまりにすぐ次章に進む序盤で、これは章仕立てにする必要性あるのか?て思うだとか、蒼井そら全然喋らねーなとか雑念入るんだけど、物語の進行に比例して案外気にならなくなるし、復讐者の行く末を見守ろうって気持ちに自然となれる。

ちなみに、劇中で引用されるジョシュ・ビリングスの名言「許すことほど完璧な復讐は無い」は個人的には全く釈然としない。許す事は対象にとって儲けもん以外の何者でもなく、罪の意識に苛まれながら生き続ける程の心の尊さを持った人間はそもそも復讐されるような罪は犯さないと思うから。

なので本作のラストはあまり好きになれないのだが、ノワール的にはあれで正解なのかもしれない。教育的にはダメだけど。