朱音

ザ・レイドの朱音のネタバレレビュー・内容・結末

ザ・レイド(2011年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

インドネシア発、低予算で製作されたソリッドなバイオレンス・アクションの傑作。

ヤクザマンションにSWAT隊が突入するという極めてシンプルなプロット、低予算を逆手に取った限定的なスペースで多彩なアクションの表現を存分に見せてくれる。

映画の構成=アクション展開の流れが見事に理にかなっていて必然性を感じる。
突入時のスニーキングミッションから、意表をつく見張り役に見つかり、一転して派手な銃撃戦がおっぱじまる。
この弾着表現が素晴らしく、暗闇の中で鮮やかに迸るマズルフラッシュは緊張感をそそる。
階段の踊り場だろうか?階を跨いでの縦方向の撃ち合いなど、空間を巧みに使ったアクションの構成で飽きさせない。
非常に見事なガンエフェクトの演出の中で、一点だけ、あれだけ撃ちまくっている足元に薬莢が落ちていないのが少し気になりはした。本当些末な事だけれども惜しい。

双方が撃ち尽くした所で、マンションを牛耳るボス・リヤディによる館内放送でSWAT狩りの宣戦布告。からのスナイパー組や青龍刀を携えたヤバそうな連中の登場でアドレナリンが噴き出そうなくらいのワクワク感。
驚異的なスピードのシラットとナイフを使った肉弾戦の応酬は、瞬きをするのも憚れる程で、一瞬の隙を突いて喉元を切り裂き、手脚の腱を断つ、その捌きの鮮やかさ
、役者陣の体技もさる事ながら、的確にポイントを押さえたカメラワークとカット割りによって、動きや位置関係が非常に明瞭で分かりやすくある事にも着目したい。

敵も味方もいつどの瞬間に命を落とすのか読めないというのが緊張感を齎している。
殺し方のエグさも良い。ドアのあんな所でうわ〜。蛍光灯でそんな事しちゃダメ〜。
と思わず痛みに悶えそうになる。

主人公ラマを演じたイコ・ウワイスをはじめSWAT隊の隊長ジャカ役のジョー・タスリム、そして圧倒的強者感を漂わせるマッド・ドッグことヤヤン・ルヒアン。
どのキャラクターも良い面構えで、魅力的だった。
朱音

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