新潟の映画野郎らりほう

LOOPER/ルーパーの新潟の映画野郎らりほうのレビュー・感想・評価

LOOPER/ルーパー(2012年製作の映画)
1.0
【もろこし畑でつかまえて】


これ迄 かなりの本数を見てきているが『映画が解らなかった』と思った事は殆ど無い。

仮に ストーリー的に、テーマ的に 要領を得なくとも、照明や構図 / 人物配置 / 人物の画面占有率 / ディテール / 美術 / 撮影技法 等から作品趣意を汲む事は可能であり、事実 私は 殆どの作品でそうしてきた。

であるから、人物の表情や感情が無くても、一切の科白が無くても、更に云えば ストーリーすら無くても『解らない』事は無いのである。


然し…。


ブルースウィリスと少年の相貌が 共に返り血で深紅に染まる対照化が為されているが 何故か―。

終局で体躯を横向きに横臥したゴードンレビットの側頭が映された後に、寝室で同様に横向きに眠る少年の側頭が映され幕と為るのは何故か―。


劇場観賞当時結局得心出来ず、今回再観賞するも やはり『解らない』。


単に韻を踏んでみたかっただけで そこに意味の付与は無いのか(だとしたらそれは映画ではない)。
或いは 私が見出せないだけなのか。

あまり他者のレビューは見ないのだが、本作のレビューはけっこう見た。
然し私の望む(映画構造次元に言及した)回答は遂に無かった。


もういい。



唯一つ言わせてもらうと、もろこし畑は 画的にも 仕掛け的にも 寓意的にも あの程度で本当にいいのだろうか。




《劇場観賞》