ダニエル・ブリュール目当てに鑑賞。
あらゆる種類のロボットやアンドロイドが人間と共存するようになった近未来の世界で、ロボットエンジニアの第一人者として活躍する主人公。
てっきりその彼が、嘗ての恋人である兄嫁の、その可愛い可愛い一人娘・エヴァそっくりのアンドロイドを作って、それを哀しく愛でるお話なのかと思ったら、豈図らん乎そうではなく、この物語には実はとある大きな秘密が隠されていて……という、ミステリ乃至サスペンスが主軸の作品であった。
いやあ、まんまと裏を衝かれてしまった。このしてやられた感、凄く気持ち良い。
私は本来SFは苦手なのだが、本作はご大層なSFではなく、題材もその描き方も非常に卑近で(いっそ家庭的と言おうか)、とても観やすく作られていた。
お話は面白かったし、役者も良かったし(ダニエルむっちゃ可愛かったっす)、キュートな猫型ロボット(※四次元ポケットは無い)や、主人公のお世話係である執事的なアンドロイド(スケートのシーンとか最高)など、ロボットに関して魅力的なキャラクターが多かったのも、本作の魅力の一つ。
ただ、ラストはもう一捻りしてほしかった。
全体的に言っても、もう一歩踏み込みが欲しかったところ。1時間半程度の映画だが、もう少し尺を長くして、アレックスとエヴァの交流をもっとしっかり描いておいた方が、ラストの切なさもより胸に迫るものになったのではないかと思う。
