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図書館戦争のkuuのレビュー・感想・評価

図書館戦争(2013年製作の映画)
3.6
『図書館戦争』
映倫区分 G.
製作年 2013年。上映時間 128分。

コミック化、アニメ化もされた人気シリーズ(らしい)『図書館戦争』を、岡田准一と榮倉奈々の共演で実写映画化。
国家によるメディアの検閲が正当化された日本を舞台に、良書を守るため戦う自衛組織『図書隊』の若者たちの成長や恋を描く。
監督は『GANTZ』2部作の佐藤信介。

あらゆるメディアを取り締まる『メディア良化法』が施行され30年が過ぎた正化31年。
高校時代に図書隊に救われ、強い憧れを抱いて自身も図書隊に入った笠原郁は、鬼教官・堂上篤の厳しい指導を受け、女性隊員として初めて図書特殊部隊(ライブラリータスクフォース)に配属される。
個性的な仲間に囲まれ業務に励む郁は、かつて自分を救ってくれた憧れの隊員とは正反対のはずの堂上にひかれていく。

図書館に入ると、独特の匂いが漂ってくる。
新書の状態から、あのノスタルジーをそそる古き書物の匂い。
その匂いは、ただ単にエアコンのカビやったりもするが、そないに思えば夢がない。
古書などを沢山所蔵してる大きな図書館には、時々バニラやアーモンドなどの香りがする。
そんな図書館などで感じる古本の独特な夢あるその香りの元は、インク、紙や装丁に入っている化合物。
また、古本の匂いについて調べることで、本が作られた年代や適切な保護方法などを調べることもできるロマンを感じさせてくれる図書館。
小生が愛する場所の一つ、静寂であるはずの図書館が、今作品では銃弾飛び交う戦場になる荒唐無稽な設定。
有川浩の人気小説が原作の今作品は、この虚構の実写化に正面から取り組んだエンターテインメント作品と云えるかな。
違う歴史をたどったパラレルワールドの近未来日本。
『メディア良化法』が可決、 国家権力によって有害図書は徹底的に排除され、検閲には武力が用いられる。
これに唯一対抗できる組織が図書館を守る『図書隊』。
その特殊部隊に配属された女性隊員笠原 郁 (栄倉奈々) と上司の堂上篤 (岡田准一)の活躍を描いておりま。
既に原作は漫画化やアニメ化もされ、多くの熱烈なファンを持つらしいけど未読、未見でありますハイ。
かつて雑誌のアンケートで、 理想のキャスティング1位になったのが、 栄倉と岡田ちゅうだけで、イメージはぴったりやった。
衝突しながらも引かれ合う、身長差のある2人の掛け合いがコミカルで楽しかった。
アクションシーンに磨きが掛かる岡田(最近は時代劇とかの殺陣も定評がある)と、ハードなトレーニングにも体を張って演じる栄倉を中心に、 脇を固める田中圭や栗山千明、福士蒼汰らも気張ってたかな。
また自衛隊が協力して撮影したと云う戦闘シーンは、 まぁまぁリアルやった。
見どころなんやろけど、物語の中心にラブコメ要素が強いだけに、ちょい長くて過剰に感じたかな。
レイ・ブラッドベリの『華氏451度』(1953年に書かれたSF小説)のような言論抑圧社会とラブコメちゅうギャップは物語の魅力なんやろけど、 ダークファンタジーではないので殺傷がリアルすぎても戸惑う。
さじ加減が難しいとこなんやろけど。。。
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