社会の歯車から自ら降りて、世間的には人並みの経歴を修められず期待されなくなるお年頃の42歳シズオ(堤真一)。
でもなぁ~、シズオの若者に媚びないところめちゃくちゃ響きました。
常に同じ目線。それかななめ上。
それが世間に冷笑されるところなんだろうけど、市野沢くん(山田孝之)みたいな生きづらそうにしてる20代には救いだよな〰️
そして幼なじみの宮田さん(生瀬勝久)にもなんやかんやで救いになってる…
市野沢くんは内面が繊細で、怒りをまとって隠しつつどうにか生きてる感じがひしひし感じられて、世間にいちいち傷つく自分から見るとシズオは強くて救いなんだね。
彼みたいな若者が笑えない国が、今の日本の在りようなんだよね、、
そしてシズオの娘鈴子(橋本愛)がとてもとても良い子。
あんな良い子でなくてもいいのに。
17歳に家事炊事させる描写、いい加減美しく描くのやめませんか、ってくらい自然に描いてるけど。
親らしいことは何も言ってこなかったであろうシズオに対して上から目線になることもなく育ってるのはまさに映画的奇跡。そこは予定調和的ではあるが、橋本愛ちゃんだから見ていたい。
鈴子にとって父親シズオに怒りまくる祖父・志郎(石橋蓮司)と暮らす家は、将来成功しようがしまいがいつでも帰って来られる場所になっている(「貴様!死ね〰️!!!」と言われてる父親どこか羨ましい)し、そこがあるから安心して出ていけるんじゃないか……
大好きな橋本愛ちゃんは、いわゆる男好きのするプリンセス的な扮装をさせられると魅力が台無しになる。ということはわかりました(笑)
シズオを肯定して肯定して励ます編集者の村上くんに濱田岳くんをあててくださってありがとうございます……
村上君自身が羽ばたいたことが嬉しかった。
存外に心にのこる作品でした。
図々しいだけでも充分生きてはいけるけれど、なりたい自分になるための自分本位の生きかたじゃなくて他人のために生きかたを変えていける大人になっていくのも素敵だよね…と中堅の自分には響くものがありました。
(若者に媚びながら家族のために働く村松さんも大好きな役者さんなので、めちゃくちゃ格好良い大人だった)