むらみさ

永遠に僕のもののむらみさのレビュー・感想・評価

永遠に僕のもの(2018年製作の映画)
4.1
誰と居ても何をしていても、本心がわからないカルリートス。
彼が唯一
生きている
と呟いていたのはラモンと侵入した宝石店のなかでだけ。

必然的に周りから愛されてきた彼にとって、能動的にじぶんから求めたのは愛したラモンからの愛情だけだったのかな。
ラモンをじぶんだけのものにしたのに、その後まだ盗みや殺人を重ねたのは思い出に浸りたかっただけなのだろうか‥

ラモン以外の人間には何の興味もない様に見えて、親の愛を利用してみたり、他人からの愛情やら崇拝を利用してもまだまだ生き永らえてくれそうなところ。

クライム案件なのにこんなにもすんなりカルリートスを受け入れてしまえるって。
一般人のなかにも潜む、優生思想を浮き彫りにさせてくれるキツい秀作ですw

“少年は残酷な弓を射る”と比べられるのもよくわかるけれど、人生がすべて復讐だったケヴィンとは異なり、存在が愛情だけで構成されているカルリートスの方が魅力的であることに怖ろしさを感じてしまう。
【美しい】って、他人の権利や人生を覆しながら生き進んでも、大抵の人間を納得させるくらいには赦されている現実を感じてしまうからでしょうか。。。
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