【パァーンチ……チーン】
街々を破壊しつつ繰り広げられる巨躯同士の烈しい闘いに、単純明快な興奮と欣喜を覚える。
「これは面白い」-やってる事は幼少向けTV番組のそれであるが、それがハリウッド流ブラッシュアップを経るとここまで見応えあるのかと。
「いいぞ-!やれ-!」
「おらおらおらあ-!」
「パーンチ!」
「もしかしてこれは凄い作品なのでは」-そう思いかけた矢先に、怪獣関連の説明が始まるυ
単純な巨躯のド突き合い -それだけ見せていればいいものを、リアリズムだとか、ストーリーだとか、テーマだとか、整合性だとか、そんないらんもんに貴重な時間を費やすυ
結果、延々故事付けと辻褄合わせばかりを見せられる始末。
私の悦びと昂揚の宿った渾身の拳は、然し 素っ頓狂な音色を奏でるのだった-「チーン」
《劇場観賞》