きょう

サイの季節のきょうのレビュー・感想・評価

サイの季節(2012年製作の映画)
3.4
こちらは実話をもとに作られた作品🎬
クルド系イラン人🇮🇷の詩人、サディクキャマンガールをモデルに、イスラム革命によって引き裂かれた夫婦の苦難の道のりを描く。
イタリア🇮🇹の宝石💎、モニカベルッチが夫を一途に愛し続ける美しい妻を演じています。


混乱のさなかにあったイスラム革命中、詩人サヘルは無実の罪で投獄され、30年後にようやく釈放される。モニカベルッチ演じる、サヘルの妻、ミナは、サヘルの釈放を切望していたが、夫はすでに刑務所の中で亡くなったという悪意のある嘘を信じこまされていた。ようやく出所した後、サヘルは必死にミナのことを捜す…


イスラム革命中での出来事。無実の罪で30年もの獄中生活を強いられた、詩人のサヘル。
愛する妻と引き裂かれ、しかも妻には自分は死んだということになってしまうという、何とも悲しく理不尽な出来事です。
サヘルは獄中でも一途に妻を愛し続け、詩を書き続けます。
やっとの思いで30年後に釈放され、愛する妻を捜し続ける姿が印象的です。
しかし、このお互いに深く愛し合う夫婦を引き裂いたのは、冒頭で夫婦が利用するタクシーの運転手。この男はイスラム革命で自分の地位が上がったのをいいことに、サヘルからミナを奪おうとして、サヘルを悪者に仕立てあげたのです💦全く歪んだ愛の形です。
二人は再会を果たしていても、ちゃんとした形で会うこともできず、そこがとても観ていて苦しいところです。
それはこのイラン🇮🇷という国の自由のなさ、男女での女性の地位の低さが物語っている感じもしました。ラストの方でサヘルが自身を酷い目に合わせた男アクバルに復讐をしていくのですが、その終わり方も考えさせられます。


セリフも少なく、静かな流れのストーリー。幻想的であり、破壊的でもある、美しい映像も観どころ。その映像の中で随所流れる詩にとても心を打たれます。
主人公が30年もの間、妻を思い続けた気持ちが伝わります。
重たく悲しい話ですが、とても引き込まれていく作品です。
モニカベルッチが美しいことにも惹き込まれます🥰💘
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