踊る猫

17歳のエンディングノートの踊る猫のレビュー・感想・評価

17歳のエンディングノート(2012年製作の映画)
3.7
死を前にすると、人は否応なくどう生きるかを考えさせられる。それはこの映画でも例外ではない。だが、この映画は何処か人の心理をフラットに描いているように感じられた。綺麗事がないと言えばそれまでなのだが、セックスや名声を得ること、そして時に万引きや犯罪行為を「したいことリスト」の中に書き込んでいる心理が見えづらいところがあると思ったのだ。17歳とはそういう年齢なのだ、と納得して良いのだろうか。私も威張れた17歳ではなかったが……辛気臭くなく、オフビートに全てを描写しようとする姿勢は見事だが、その分退屈でもある。波乱を起こすか、彼女から映る世界はどういうものなのか(白血病と診断された時のショックや、あるいは彼女の倫理観を語らせるなどして)明かして欲しかったかな、とも思う。「17歳だから、ね?」という暗黙の了解は、国境や性別や年齢を超えて幅広く伝えなければならない映画というジャンルでは成り立ちにくいので。
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