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セレステ∞ジェシーのkuuのレビュー・感想・評価

セレステ∞ジェシー(2012年製作の映画)
3.6
『セレステ∞ジェシー』
原題Celeste and Jesse Forever.
映倫区分PG12.
製作年2012年。上映時間92分。

クインシー・ジョーンズの娘さんのラシダ・ジョーンズ(モデルもやってる)が主演するラブストーリー。
彼女自身の体験をもとに脚本も手がけ、自分らしさに自信をもって生きてきたがために、本当に大切なものを見失ってしまった女子が、仕事や恋愛に揺れながらも自分を見つめ直していく姿を描くアメリカン作品。
アルアル・ロマンティック・コメディにうんざりしていたラシダジョーンズは、ミートキュート(meet cute出会い系かわいいコメディ)ではなく、別れについてのコメディを書きたかったそうてす。
ジェシー役のアンディ・サムバーグほか、イライジャ・ウッド、エマ・ロバーツ(叔母さんがジュリア・ロバーツ)らが共演。

学生時代に恋に落ち、そのまま結婚したセレステとジェシーは、誰もがうらやむ理想的なカップル。
しかし、セレステの提案で
『永遠に親友でいられるように』
と30歳を機に離婚。
離婚後も隣同士の家で毎日顔をあわせ、親友関係を満喫していた2人やったが、ある出来事がきっかけで毎日会うことができなくなっちまう。
そうなって初めて、セレステはジェシーの存在の大きさに気がつくんやけど。。。

数ある恋愛ドラマには無いことは無いとは思うけど、今作品は、別れや離婚をより簡明直截に描いてたかな。
大袈裟かも知れないけど、思慮深さや、繊細に撮られてたし、ウィットとナマの感情に満ちてるようでした。
欠点は、別れには真新しい感じはしたけど、映画自体の手法としては散々やり尽くされた、あまりにもお馴染みあるんを使っているとこかな。
とは云っても個人的にはまぁ優れた作品やったし、最近見た中では、この特定の方式の適切なバージョンやと云えるかな。 
演技は純粋やったし、それゆえに魅力的で、紛れもなく好感の持てるキャラが揃ってた。
今作品はラシダ・ジョーンズの真のブレークスルーとなる演技やと思います。
ラシダが演じるセレステは、同居している夫ジェシーとの離婚手続きを進めており、今でも妙に仲が良い。
アンディ・サムバーグ演じるジェシーは、前に進むためにデートを始め、セレステを喜ばせますが、過去の浮気相手が再び彼の前に現れ、彼女が妊娠していることを明かす。
セレステは、前に進むことがこれまで以上に難しくなり、後悔ばっかりが募っていく。
まぁハリウッド的って云えなくない結末や、感傷的な表現を多用していないさかい、作中じゃ、自分が前に進もうと葛藤する過程が自然に処理されていると思います。
結局、何もかもを甘くしていないので、その点では新鮮やったっすわ。
セレステの親友ベスを演じたアリ・グレイナーの演技もよかった。
いくつかの静かでシンプルな場面で、意外にも痛烈な印象を受けました。
それとユーモアのバランスを難なく取れてもいたかな。
挿入曲の使い方も、ぴったりで、流れに乗ってました。
全体的には、画期的なロマンティック・コメディとまでは云えないまでも、ラシダ・ジョーンズはこの映画の中で、とても魅惑的でウィットに富んだ知的な女優さんやったし、多少は夢中になっちゃいました。
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