馬井太郎

アンストッパブルの馬井太郎のレビュー・感想・評価

アンストッパブル(2010年製作の映画)
4.0
トニー・スコット監督作品を期せずして2作連続で観てしまったことに、後で気がついた。(1作目は、「トゥルーロマンス」)
暴走するGEAC4400CW型、追走するEMDSD40-2型など、鉄道ファンをドキドキさせる機関車が、主役のような、いや、立派な主役、の映画である。
ここに、欲望・葛藤・巧みなカセがからみあって、全編眼が放せない。だから、事前に、トイレに行ってから観ることをお勧めする。
とにかく、実話がベースということだが、この手の撮影では、実写か、それともCGか、がよく取り沙汰される。
前景の電柱、鉄柱、公園の樹木など、暴走列車を映しながら画面をよぎるショット。コントロールセンターとのやりとり、数秒でカットが切り替わり、クレーンでのカメラワークは、まるで、その場にいるようなスリルと迫力とをもって、圧倒してくる。
脱線転覆炎上する機関車でさえも、これは、絶対、実写である、と云うほうに、わたしは投票したい。

コントロールセンターでの監視画面では、列車走行を左から右への矢印で示されていた。カメラがとらえる実際の列車走行は、左から右、もあったが、ほとんどは右から左、が多かった。(客席側に向かって走ってくるショットも、勿論あったが)デンゼル・ワシントンらが追走する方向は、右からだったことを合わせ見ると、なんか、ちぐはぐな感じが抑えられない。監視画面とは反対方向になってしまうからである。

このような事件、二度とあってはならない。映画の世界だけで楽しむべし、と心から願うものである。