真っ黒こげ太郎

スティーヴ・オースティン 復讐者の真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

3.8
悪のバイカー軍団に支配される小さな田舎町、ホープ。
バイカー軍団は、銃や麻薬の売買、そして暴力で町を牛耳っており、保安官も手が出せなかった。
そんな悪の蔓延るこの町に一人の男が現れた。
その男の名はケンシロウ… じゃなくてダン・ペイン… でもなくライアン・ヴァレット。
彼は家族を殺したバイカー軍団に復讐するためにやってきたのだ。
今、静かなホープが戦場と化す!(少々盛ってます。)



家族を殺された漢の復讐を描くシリアスな正統派アクション。
「復讐者」と聞いて今作を思い出したので観てみた。

主演は、「エクスペンダブルズ」でスタローンさんに突進した際に首の骨にヒビを入れたことで知られる、”ストーン・コールド”スティーブ・オースティンさん。
敵ボスはダニー・トレホさんで配給はアルバトロス。もう骨の髄までB級の匂いが漂っている!w


ハッキリ言って話自体は粗まみれ。
主人公の行動は行き当たりばったりだし、割と何も考えずに喧嘩売りまくるせいで割と被害が出まくっている。
特に巻き添えで無残に殺されてしまうガソリンスタンドの男は可哀想すぎ…。
最近では大作でのスーパーヒーロー映画でもヒーロー側の活躍による人々の巻き添えが議論を呼んでいるが、今作の主人公の方がよっぽど酷い気がしてならないのは俺だけだろうか…。

後、悪ボスの行動もやや遅めだったり、後半に何の対策もしてないせいで捕まっちゃったり、主人公も散々大暴れした割にはお咎めなしだったりと皆の行動面では結構問題多し。



だが、雰囲気はしっかりてるし、テンポも良好。話も上記のような粗もあるが、そこまで大きな破綻はしていない。(大味な内容ではあるが。w)

アクションのクオリティも十分で、オースティンさんのアクションはマーシャルアーツ的な動きではなく、パワフルで武骨な喧嘩式アクションなのが良い。
粗っぽい肉弾戦で迫力を出したり、要所要所で関節技も使ったりとどれも見応えがあった。
乱闘シーンでもパワフルに立ち回ってくれるのでクライマックスで展開される乱闘シーンも見ごたえあり。
特にラストのタイマンでトレホさんと繰り広げられる、ガムテープ・デスマッチはパワフルで素晴らしい。
60代後半且つ本格的なアクション俳優でないはずのトレホさんも要所要所でパワフルでアクションを見せてくれるのが素晴らしい。

トレホさんの雰囲気や演技もヤバさが漂っていて、悪役の貫禄十分。
後、トレホさんが一瞬マチェーテを取るシーンもあるぞ!w

また、本作ではヒロイン的な女性がいるのだが、彼女と恋仲になるような展開にならないのも良かった。
まぁ復讐に走ってるんだから、それが普通なんだろうけど。


正直低予算だし、アレな所も多いけど、ビデオスルーのB級アクションとしては中々いい出来だと思います。
個人的に今まで見たオースティンさんの主演作品の中では一番面白いと思いました。(と言っても今作を含め3~4つぐらいしか観てないけど。)

アクションスターの映画は、これくらいが丁度いい。


追記:ガムテープ・デスマッチ、他のレビューで使われてました。w
すんませんでした!