イタリア・ミラノで実際に起きた未解決爆破事件が題材。
学生運動が勢いを増していた69年、ミラノの象徴ドォーモなや裏手フォンターナ広場に面した全国農業銀行が爆破。17人の死者と88人の負傷者を出した大事件と発展する。
主には捜査官の視点でストーリーは進められているけれど、左翼アナキスト、右翼ネオファシスト、またはジャーナリストなど様々な視点からも観ることができるのがこの作品の優れているところだと思うわ。
監督の言葉を借りれば「この事件以降、イタリアは変わった」のだとか。
犯人としてまつりあげたアナキストは取り調べ中に自殺、その後捕まったネオファシストも終身刑から一転無罪に。
事件は1つだけれども、様々な組織の思想や思惑で事柄が複雑になってしまったのが余計解決しにくくさせてしまっているのでしょぅ。作品も一筋縄ではいかなくて、このようなことに縁の遠いアタシたち日本人は、それぞれの組織の内部の人間の、微妙な会話から背景を察するしかできない。
日本ではこの数年前にオリンピック、この翌年に大阪万博という全くもって浮かれているだけだった時世におこった出来事だといぅのがやるせない。
当時のイタリアの警察はマフィアと癒着していて腐っていたし、何より学生たちがとてつもなく血気盛んだった。
ものすんごく大切なのは、イタリアのそして今でも日本人から観光地として有名なあのミラノのドォーモの近辺で、ほんの40年前にこんな事件があったということを知っておくことだなぁと思ったわ。現在ミラノのこの広場には石碑が建てられています。