ねこ無双

オンリー・ゴッドのねこ無双のレビュー・感想・評価

オンリー・ゴッド(2013年製作の映画)
4.5
タイまで逃げても母親の呪縛から逃げられなかった男と、その支配的な母親、そして自ら神になったかのように悪を粛清し続ける男の物語。暴力的で残虐。

前作が洗練された美だとすると、今回はどす黒い美。前作のカッコ良さをゴズリングに求めると、今回は肩透かしをくらいます。

映画でのゴズリングと粛正おじさんの登場比率は感覚的には互角。
カンヌの評価は賛否両論だったそうです。それも納得出来る感じではある。ほんと「ドライブ」の後にこれ、って凄いですね。

粛正男チャン警部がキャラ立ちしてて面白いぐらいに圧倒的な強さ。警察なのに部下引き連れて、悪を次々と私刑していきます。
ドライブよりも演出はかなりホラー寄りに感じました。男が刀とか錐とか無表情で振り上げる様は教信めいていて不気味。チャン警部の登場シーンは盛り上がります。

タイを舞台にキャストもほぼ向こうの方ってのもまた冒険ですね。
男がカラオケ熱唱とか?な演出があり、エンディングもあれってどう理解すれば?という難解さ。難解な映画っていつも評価に困ってしまうんですが、それでもこの映画は面白いと思わせる暴力的な魅力がある。