くろみまりこ

小さな悪の華のくろみまりこのレビュー・感想・評価

小さな悪の華(1970年製作の映画)
2.5
児童ポルノギリギリな上映禁止映画。
同じフランスの少女映画でいうと『エコール』ほどロリロリではなく、『ヴィオレッタ』ほどマセてはいないという感じ。子供でも大人でもない娘たちが映画全編にわたって"発育"をむきだし状態にしていて、なんだか見てはイケナイものをずっと見させられているような感じ。下手な18禁よりよっぽど青少年に見せられない感じもした。

耽美系っていうのかなぁ?こういうの。正直美しいとは思えなかったし好きにもなれなかった。
クリスチャンばかりの周囲の人間に反発して悪事の限りを尽くそうとする娘たちの話なのだけれど、やっていることはイタズラ坊主レベルで終盤の殺人展開も半ば事故のようなもの。"悪魔崇拝とボードレールに憧れたミーハー女子のごっこ遊び"という感じしかせず、それを「美しいでしょう?」とばかりにみせられてもなんだかなぁという感じ。
見せ場で繰り返し流れるメインテーマには、そういった"少女の狂気"を押し売りされているかのようで辟易するばかり。

『少女二人の世界を守るために母親殺しをした』という実際の事件をもとにした映画らしいが、この作品で描かれる"少女2人だけの狭く愛おしい世界"というものがまったく魅力的に思えなかった。彼女たちをとりまく家族や学校がもっと緻密に描かれていれば少しは感情移入できたのかもしれない。

主人公2人の見た目のバランスと演技はとてもよい。ロール役の女の子の声が物凄く大人びていて不思議な感じがした。