くろみまりこ

仮面/ペルソナのくろみまりこのレビュー・感想・評価

仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)
4.7
「今まで見ずに生きてきてごめんなさい!」
というのが初めて見た時の率直な感想。
それはもう、この映画の存在を知らなかった今までの自分の人生全てを呪うレベル。

はじめから終わりまで全てのカットが5億点という映画は後にも先にもこの作品しかないという気がする。これほどまばたきするのが勿体無いと感じる映画はない。映像、音、台詞の量、演技、物語の構成と展開の強弱、どれをとってもベスト。手間の人物とその背景が別次元に思えるショットは謎でしかない。気持ち悪いほど横顔が美しい。あとシネカリがまた面白い!などなど挙げだしたらキリがない。ベルイマン作品における人物の横顔ってどうしてあんなにも魅力的にうつるのか不思議。

あとはもう好みの問題。個人的には序盤のモンタージュがカッコ良すぎて逆に拒否反応が起こってしまったけれど、ああいった演出が好きな人にとってはツボを刺激されまくる作品だと思う。
最近物凄い眠い状況下で久々に鑑賞したけれど、やっぱり寝落ちするわけなかったです。