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紅いコーリャンのchiyoのレビュー・感想・評価

紅いコーリャン(1987年製作の映画)
3.5
2020/5/24
チャン・イーモウの監督デビュー作で、コン・リーの映画デビュー作。九児の花嫁衣裳、コーリャン酒、流れる血、灼熱の太陽、その全てがとにかく赤い。そして赤は情熱でもあり、久児と余の関係、酒造りに賭ける想い、日本軍への反撃と、噎せ返るような力強さを感じる。そんな赤だらけの中、だだっ広い緑一色のコーリャン畑が、あまりに雄大で目を瞠るばかり。が、久児が作る切り文字から文化が感じられる一方、彼らの生活様式や煮込んだ牛の頭を丸齧りする等、そのワイルドさに驚かされる。羅漢の見せしめ処刑から急に政治色を帯びることに違和感があると同時に、日本軍の描き方が残忍で複雑な心境になったりも。それでも、初々しいコン・リーがとても綺麗だった。
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