なべ

MAMAのなべのレビュー・感想・評価

MAMA(2013年製作の映画)
2.5
 Twitterで「ネトフリで観れるけど二度と観たくないホラー映画」ってのを見かけて、その中の観たことのない1本を試しに観てみた。映画ライターのくせにら抜き言葉でタイトルを付けてる時点で嫌な予感はしたんだよ。肝心のラインナップがありきたりで、ハズレは想定内。全然期待せずに観たのだが…これがクソつまらん!確かに二度と観たくないわ! 地雷臭を嗅ぎ取ったあなた、正解です!観なくていいです。デルトロ(プロデュース)はたまに大失敗をするけど、これもそのひとつ。

 以下、盛大にネタバレしてますが、粗悪なストーリーなので、まあ読んでも大丈夫かと。むしろ読んでから観た方が楽しめるかも。

 精神を病んで妻他を殺したあと、娘二人を殺そうとした男は突如現れた怨霊にくびり殺される。残った姉妹は怨霊に育てられ、5年後に発見された時には野生児と化していたって導入。オオカミ少年ならぬ怨霊姉妹ね。これだけ書くとおもしろそうだなw 確かに四つ足で這い回る様子はちょっと怖かった。痩せ細って機敏に動くしぐさが忌まわしくて。でもおもしろくないの。
 怨霊は元精神病患者で、病院を脱走して教会から赤ん坊を攫い、無理心中したっていうタチの悪い奴。狂った母性が姉妹の生存に繋がるんだけど、これによって狂人と少女たちの間におかしな絆みたいなものができるわけさ。叔父ルーカスやそのカノジョにとっては単なる悪霊だけど、姉妹にとってはMAMAってところが肝。あれ、こうやって書くとおもしろそうだな。いやいやいや、おもしろくないの!
 数少ない登場人物の中で、姉妹を手にかけようとする父親と、姉妹を生かそうとする怨霊、2人とも精神を病んでるってどうよ。精神病を安易に使い過ぎじゃね? 特別な状況を生み出すのに精神病でしたってなんか舐めてるよね。
 心優しい叔父は負傷して途中いなくなるわ、なんの関係もないベーシストの彼女がなぜか姉妹の面倒を見るわで話下手か!って展開。精神を病んだ父親の霊がルーカスの夢まくらに立ってヒントを出すって、そんな馬力があるなら娘を手にかけたりしないってば!
 最終的には教会から攫った赤ん坊の遺骨を怨霊に差し出して解決するはずだったんだけど、妹リリーの呼びかけに反応して、因縁の赤ん坊の亡骸を無惨にも投げ散らかすの。えーーー!ここ、ドン引きですわ。何その非道。いくら怨霊でもやっていいことと悪いことくらいわからんか⁉︎「いえ、彼女は精神異常ですから(キリッ」って監督が言ってそうでここ、気分が悪いんだわ。
 だいたいこの怨霊は欲しがり過ぎ。あれもこれもと欲張るずうずうしい怨霊は嫌いだ。怨霊にも守るべき節度ってもんがあるでしょ。ああ、それは化けても仕方ないねって情状酌量の余地がないとさ。怨念のきっかけとなった赤ん坊はもういいやって。そりゃないよMAMA。赤ん坊が浮かばれない。あんたより赤ん坊の方が怨霊になる資格がある。「でも、ほら、彼女は精神異常ですから(キリッ」ぬあああああああ!きりっじゃねーよ。精神病を免罪符に使うんじゃない!
 姉ヴィクトリアは叔父たちに情がうつって、踏みとどまるんだけど、順応が芳しくなかったリリーの方は怨霊一緒に行っちゃいましたとさ。
 何この結末。しょーもな。後味悪っ。切ないとか悲しいとかじゃなくてただただ後味わるっ! こんなの二度と観たくないわ!(2回目)
 怨霊の造形もイマイチだし、効果として使われる蛾もイマイチ。ああ、時間を無駄にしたよ。

 ちなみに、一緒に観ていたダチは、「この怨霊は鬼子母神として祀らないとね」と、いいこと言ってた。かしこっ!

✳︎この悔しさは、新文芸坐でサタデー・ナイト・フィーバーを観て晴らしました(キリッ
なべ

なべ