ねこ無双

不安の種のねこ無双のレビュー・感想・評価

不安の種(2013年製作の映画)
3.3
原作漫画ではおちょなんさんの話(不安の種+)が有名。
ふとした瞬間の怪異の短編集。どれもオチが無いから気持ち悪さの残る漫画です。

こちら映画化ではそれら短編をくっつけた一つのストーリーとなっていて…
ある呪われた町に住む人たちが味わう怪奇な物語となってます。
漫画原作はもしかしたら本当にあるかも?(いや、無いけど)って思わせる面白さがあったけど、映画はちょっとそれとは別物な感じ。奇妙な町の怪異譚として観ればまあまあまあ。

時系列が入り乱れてるので、最後まで観てもどういうこと⁉︎なんて気持ちになるかもしれません。
暗闇に突然現れる顔芸やなめくじみたいな目玉行列がぶちぶち潰されるのはなかなか気持ち悪かったんですけど…あまり怖さは無くて、ひとつひとつがシュールギャグに昇華されてたような感じ。

登場人物の中では壮絶な過去を持つ洋子ちゃんがキャラ際立ってて、結構好きです。
基本優しくて礼儀正しい子なんですけど、イラッとすると「だったら出てけ、このクソバカが‼︎」なんて突然キレちゃう。
当然まわりはおたおたします…。

フランス語のエピソードも入ってました(#25 散歩より)。
細い小路の突き当たりにお札が1枚貼られてる話で、なかなかのシュールさでお気に入り。
漫画と映画とではセリフが違ってるよう。映画のセリフの方が好み。

あとは罵声を掃き溜めて蓋を閉めるティーポッド、悪い気が溜まってるからその周りには虫が死んで落ちている…なんてエピソードは面白かった。