タカシ

ゼロ・グラビティのタカシのレビュー・感想・評価

ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)
4.0
『宇宙にゴミを散らかすな』


たった90分しかない。
したがって地上でNASAのスタッフが右往左往する事もないし、ロシアの宇宙飛行士が脱出艇を奪おうと画策したり、中国人がサポートに乗り出したりはしない。
ストーリーはひたすらにシンプル。
ひたすらサンドラ・ブロックとジョージ・クルーニーの冒険を追いかけるのみ。
90分しかなくても最初と最後を比べるとちゃんと主人公が成長したと感じられるのが素晴らしいと思う。

私は映画で「これは○◯で観ないと魅力半減」みたいな言い方をするのが大嫌いなのだが、今回ブルーレイで見直してこれは言わざるを得ないと思いました。
この作品は「3D」で「劇場のスクリーン」で観ないとかなり魅力が減るということ。

だかやはり冒頭10分近い長回しからのパニックシーンはドキドキするし、次々と来る試練にもハラハラし通しでした。

今回初めて吹替版で観ましたが、クルーニー役の小山力也さんはやっぱりうまいなあ、すっかりジャック・バウワーの中の人になってしまいましたけど、やはりクルーニーとの相性はさすがに桁違いに思えました。
音のサラウンド感も抜群で周りをウロウロする感じがよく出てて面白かった。

宇宙飛行士がオムツしてないのはおかしいとか、宇宙基地同士がいやに近いなとか、あのグローブで取っ手とか掴めないだろとか細かい事は言いっこ無しだぜ。

「ゼロ・グラビティ」は一見いい邦題に思えますが、最初と最後に出る原題「GRVITY」の意味を考えると安易に「ゼロ」とつけるのはあまりに僭越ではないかなと思いました。確かに劇中95パーセントはゼロ・グラビティなんですが。

ブルーレイ特典として収録の短編「アニンガ」は割りとお気に入りのサイドストーリーで観られて良かった。

あ~アカデミー作品賞獲っても良かったんじゃないかな…
セルBlu-ray(吹替版)にて。17.12.17
2017#156
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